浜松ホトニクスの韓国現地法人HAMAMATSU PHOTONICS KOREA Co., Ltd.は,半導体故障解析装置の製造能力強化とグローバル市場における売上拡大を目的として,韓国の京畿道華城市(キョンギド ファソンシ)に工場を新設した(ニュースリリース)。
2020年3月,浜松ホトニクスは半導体故障解析装置の製造および韓国における画像計測機器の販売拠点として同社を現地法人化し,画像計測機器事業の強化と売上拡大を行なってきた。
特に半導体故障解析の分野において,韓国半導体メーカーをはじめとした顧客のニーズを的確に把握し新技術の開発を行なってきた結果,同社の半導体故障解析装置がグローバル市場において高いシェアを維持しているという。
近年,生成AIの普及により半導体需要が急増している。特に高性能なメモリやロジックの開発が継続的に行なわれており,早期の歩留まり向上が求められている。これに伴い,故障解析の必要性も高まっており,多くのデバイスを迅速に解析するためにオートメーションの機能を備えた装置が求められている。
故障解析のオートメーション機能には二種類ある。一つ目は,低倍率から高倍率へと自動で観察視点を切り替える機能。これにより,故障箇所を迅速に特定することができる。二つ目は,ウエハー全体を高速に検査し,プロセス異常を早期に発見する機能。これらにより,製造プロセスの異常を早期に発見し,歩留まりの向上に寄与する。同社はこれら二種類のオートメーション機能を備えた装置の開発を進めている。
今回の新工場の稼働により,半導体故障解析装置の開発・製造・デモンストレーションなど多くの市場ニーズに対応することができる体制を強化する。また,新工場には同社の電子管製品や光半導体製品を輸入・保管し,韓国市場に販売する際の商流の起点としての機能が新たに追加されるとしている。
■新棟概要は以下の通り
・稼働予定:2025年3月
・総工費:約4億円
・収容人員:約100名
・製造品目:半導体故障解析装置,u-LED検査装置
・生産能力:約1,000億ウォン(円換算 約110億円/売上高換算)