米Coherentは,世界初の6インチInPウエハー製造を開始したと発表した(ニュースリリース)。
ウエハーは大きくなれば,ウエハーあたりのデバイス数を増やすことができるため,ファブの全体的な生産能力を拡大して,AIインターコネクト,データ通信,電気通信,自動車,産業,民生などの成長市場で急増しているフォトニックデバイスの需要に対応することができ,競争力と収益性を高めることができるという。
また,6インチウエハーに移行することで,より大容量で効率的な自動化プロセスツールを活用することができ,フットプリントを拡大することなくファブの生産能力を向上させるとともに,ウエハーあたりの人件費を削減することができる。そうした改善によって,以下をはじめとする幅広い用途で使用されるデバイスの生産能力が4倍向上し,ダイのコストが60%低下するとしている。
・コヒーレントな光通信
・データ通信トランシーバー
・AIインターコネクト
・高度なセンシング
・6Gワイヤレス/衛星通信ネットワーク
また,生産効率が高まれば,資源に与える影響は間違いなく改善され,サステナビリティも向上する。2023年のDeloitteの調査によると,半導体業界では,製造の進歩(より大きなInPウエハーなど)が,エネルギー強度の全体的な削減に役立つ可能性があるとする。
同社のInPフォトニック集積回路は,複雑な変調波形を符号化/復号化する高密度多重化システムに必要なレーザー波長をサポートしており,この機能により,これらの波長で長距離ネットワークを介して大容量データを伝送することなどができるようになるという。
データ通信とAIの分野では,InPベースの外部変調レーザーや高出力CW(連続波)光源レーザーによって,大規模なデータセンターや機械学習クラスタを対象としたトランシーバーソリューションの迅速な展開が可能になっている。このような用途に対する需要に対応できるファブは,6インチウエハーサイズへの移行が可能にするとしている。
他にも,200G電気吸収変調レーザー(EML),マッハツェンダー変調器(DFB-MZ)内蔵の200G分布帰還型レーザー,100G EML,シリコンフォトニクス分野向けの高速光検出器やCWレーザーなど,新しい6 インチInPプラットフォーム上に移行するいくつかの既存製品を含む,同社の幅広い製品ポートフォリオ全体にわたる重要な柱になるとしている。