Coltテクノロジーサービスと富士通は11月28日,富士通のトランスポートブレード「Fujitsu Network 1FINITY(以下 1FINITY) T900 / T950」を,現在Coltが2025年の稼働を目指して広島,岡山,福岡の3拠点で進めている,西日本でのネットワーク拡張に活用することを発表した(ニュースリリース)。
両社は,これまでも技術検証において協力関係にあり,2023年7月に共同で実施した実証実験では,国内における商用長距離ネットワークの1波長当たりの最大伝送速度について800Gb/sを達成した。この実証実験は,東京と大阪を結ぶ約600kmの間で実施し,富士通のL-band/C-band トランスポートブレード「1FINITY T700 / T900」と,Coltの専用線サービス「Colt Wave」を使用している。
今回採用された富士通の「1FINITY T900 / T950」は,光1波長あたり1.2Tb/sの世界最高クラスの大容量データ送信を実現する光送受信機。独自のクローズドループ水冷技術を採用することで,従来の空冷システムと比較して2倍の冷却能力と,発生する騒音の50%低減を実現した。
適合する光ネットワーク上で1波長あたり1.2Tb/sの大容量伝送と,従来製品比で到達距離の40%向上を両立しながら,システム全体のCO2排出量の60%削減を可能にするという。(値は富士通の光伝送プラットフォームに共に使用される,ラインシステム(光波長多重装置)「1FINITY L900」の先端技術を採用した場合の最大見込み)
また,Coltの専用線サービスである「Colt Wave」は,業界標準の主要な光インターフェースとプロトコルをサポートし,冗長性と多様性のあるファイバー・アーキテクチャを基盤とし,益々高まる回線のパフォーマンスと回復力の要求に応えるものだとする。
このサービスは,1Gb/sから400Gb/sまでの広帯域幅をサポートするレイヤ1専用データサービスで,世界40か国以上,日本の主要5都市を含む230の都市と275以上の光PoP(Point of Presence:ネットワーク接続拠点)より,都市内,国内,国際地域間のシームレスな接続を提供するという。Coltのネットワークは,世界1,100以上のデータセンターと世界3万2,000以上の商用ビルを接続しているとしている。