ローム,LiDAR向けkW出力赤外LDアレイを開発

ロームは,距離測定・空間認識用LiDARを搭載する車載ADAS(先進運転支援システム)向けなどをターゲットに,高出力半導体レーザーダイオード「RLD8BQAB3」を開発した(ニュースリリース)。

近年,車載ADASはもとより,AGVやドローン,ロボット掃除機など,動作の自動化を必要とする幅広いアプリケーションで,正確に距離測定・空間認識を行なうことができるLiDARの採用が進んでいる。

その中で,より遠く,より正確に情報を検知するため,光源となるレーザーダイオードにはkWレベルの高出力を出したい,複数の光源を狭間隔で発光したいなどの要望がある。

この製品は,3D ToFシステムを用いて距離測定や空間認識を行なうLiDAR向けに開発された,超小型面実装タイプの125W×8ch高出力赤外(ピーク波長905nm)レーザーダイオードアレイ。

高放熱基板に設けたサブマウント上に,1素子で8個の発光エリア(各発光幅300µm)を有する赤外レーザーダイオードを設置。パッケージの発光面には,面実装タイプレーザーダイオードとしては業界初のクリアガラスを用いたガラスキャップを採用しており,樹脂封止品などで生じがちなダイシング時の傷による光散乱の心配もなく,高いビーム品質を実現するという。

各発光エリアはカソードコモンで配線されており,発光ポイント数を増やせる個別発光から,業界最高レベルの1kW級超高出力同時発光まで,アプリケーションに合わせた照射方法の選択を可能だとしている。

また,従来から同社のレーザーダイオードの特長である,発光幅における均一発光強度や波長の低温度依存性0.1nm/℃(一般品は0.26~0.28nm/℃程度)も継承しており,アレイ化によるチャネル間の発光強度低下領域を狭くできるほか,バンドパスフィルターによる太陽など外乱光ノイズの影響の極小化が可能で,LiDARの遠方検知・高精細化に寄与するという。

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