マクニカと東京都,ペロブスカイトPVで実証事業開始

マクニカは,東京都と,自治体として初となるペロブスカイト太陽電池を用いた空気質モニタリングソリューションの実証事業を開始したことを発表した(ニュースリリー)。

ペロブスカイト太陽電池(PSCs)は,薄く,軽く,曲がり,材料によって半透明にすることが可能な,次世代太陽電池の大本命として注目されている。

少ない光量でも発電することができるため,身の回りの小型電子機器や,これまで太陽光パネルを設置できなかったようなビルの壁面,宇宙空間など,さまざまな場所で独立電源を得ることが可能となり,大面積塗布技術によって大幅なコスト削減が期待されている。

同社は,昨年,京都大学発スタートアップのエネコートテクノロジーズのペロブスカイト太陽電池を採用した空気質センサーを開発,実証実験を続けてきたが,今回東京都と協力し,エネコートと三者で,自治体として初,また実オフィス環境下においても初となる実証事業を開始することになったという。

ここで使用する空気質センサーとは,空気の品質を常時チェックし,モニターする同社のソリューションの一つ。CO2,PM(ほこり,ちり),有害物質,および湿度・温度の数値から,快適に過ごせる空気質空間かを可視化する(商品名「AiryQonnect(エアリーコネクト)」)。

今回ペロブスカイト太陽電池を組み込むことで,独立電源を確保し,設置場所の自由度やバッテリー交換不要といった面で,環境負荷の少ない空気質の観測が可能になることが期待されている。

同社は,今後は,東京都庁の執務室内を,空気質モニタリング(CO2,温湿度,照度)の実証の場として活用し,ペロブスカイト太陽電池搭載のIoTセンサー端末の量産化に向けて,検討・検証を進めていくという。

これを機に,持続可能なエネルギー源となるペロブスカイト太陽電池の実用化と,また,空気質改善による都民の生活品質の向上が実現できるよう,三者で積極的に取り組んでいくとしている。

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