2040年LED照明応用製品の国内市場,3261億円に

著者: 梅村 舞香

富士経済は,2010年代から普及が進むLED照明市場に加え,「健康」「安全」「快適」「便利」といった価値や,サイバー空間とフィジカル空間融合の演出を付与する,LED照明を応用した製品・サービスの市場を調査し,その結果を「次世代照明Lighting5.0を見据えた照明市場の現状と将来展望に関する調査」にまとめた(ニュースリリース)。

この調査では,8品目のLED照明市場と12品目のLED照明を応用した製品・サービス(=Lighting5.0関連)の市場の現状を把握し,将来を展望した。

それによると,LED照明の国内市場は,新型コロナウイルス感染症の流行による需要減で2020年は縮小し,2021年は部材供給不足に伴う生産・販売量の抑制を受け伸び悩んだ。2022年から2023年にかけては,燃料費・電気代高騰を背景とした省エネ対策意識の向上などを受け,需要が回復に向かっているという。

脱炭素政策の強化やインバウンド需要の回復に加え,製品価格の改定なども影響し,2023年の市場はコロナ禍以前の2019年の規模を上回る,7,073億円を見込む。中期的には,脱炭素・カーボンニュートラル政策の強化や,2027年末を期限とした蛍光灯の製造禁止,燃料費・電気代高騰を受けた省エネ対策で既存の照明からLED照明器具やLED管球ランプへの移行が進むとみている。

2030年の市場は2022年比6.4%増が予測されるものの,長期的には,参入企業の増加による価格下落やLED化需要の飽和などが予想されるため,市場は縮小するとしている。

LED照明の応用製品・サービスは,明かりを取ることに加え「健康」「安全」「快適」「便利」といった価値を付与した照明やその照明を利用したサービスを対象とする。サイバー空間とフィジカル空間の融合を目指すSociety5.0に対応することから注目されているほか,周辺・異業種の参入で,LED照明の応用製品・サービスが多様化しているため市場は拡大している。

多様化には6つのトレンドがあり,照明と内装材やガラスなど建材が一体化した「建材化」やプロジェクター・音響一体シーリングライト,卓上・インテリアライトなどの「家電・雑貨化」,カメラ機能付きなどの「多設備化」,照明と映像,音響演出を組み合わせた映像演出ソリューションなどの「エンタメ化」がみられる。

また,照明制御システムがIoTプラットフォームの役割を担い,他設備・機器を連携統合する「土台・基盤化」やスマート街路灯といった「社会インフラ化」の動きもみられ,2023年の市場は,前年比11.4%増の1,763億円が見込まれるという。今後も,これらのトレンドの進展を背景にLED照明の応用製品・サービスの多様化は続くとみられ,2040年の市場は2022年比2.1倍と予測する。

今回の調査では以下の市場に注目した。まず無線式照明制御ソリューションは,照明の調光・調色などを無線で制御する照明製品・ソリューションを対象とする。制御する照明器具が,数十台~数百台規模の食品スーパーやオフィス,工場などで導入されることが多い。

LED照明のリプレイスや電気代高騰による省エネニーズの高まり,有線式に対して施工が簡便であることなどを背景に導入が進んでいるため,2023年の市場は拡大と予想する。今後も省エネ・省施工を目的とする導入や照明とのセット販売の標準化が進むとみる。

また,集客のための調光・調色による快適性向上や空間演出,センサーとの連携によるソリューション提案など新たな価値創出につながる開発が進んでおり,省エネ以外の付加価値提案や認知度の向上などでより需要が高まるため,2040年の市場は2022年比3.8倍と予測する。

次に,カメラ機能付き照明ソリューションは,LED照明器具やLED管球ランプにカメラが一体化した照明製品・ソリューションを対象とする。2010年代後半に市場が立ち上がり,2018年以降は東京五輪に向けた防犯強化で鉄道車両への導入が進み市場が拡大した。2023年も東京,大阪,名古屋など主要都市における鉄道会社での導入が市場をけん引している。

今後は,鉄道以外に学校や病院,保育施設,庁舎など防犯意識の高い施設で導入が増加すると予想する。また,画像解析を利用したマーケティングのニーズが高い商業施設や流通店舗,生産性向上ニーズが高い工場・倉庫などへの広がりも期待され,情報通信系やカメラ関連の周辺・異業種企業も参入することで,2040年の市場は2022年比9.3倍と予測する。

最後に,映像演出照明ソリューションは,プロジェクターやサイネージ機能を持った照明製品・ソリューションを対象とする。2014年から2020年頃まではBtoB向けの製品が中心であった。2020年以降は,シーリングライトとプロジェクターが一体化した製品が,一般家庭や小規模店舗で好調であることから,2023年の市場は61億円が見込まれるという。

モニターや音響と照明が連動する製品としてBtoC向けは引き続き伸長するほか,BtoB向けも伸びるとみられ,2040年に向けて市場は拡大すると予想する。また,照明と映像の連動を進めることから,映像ビジョンやディスプレー,サイネージ機器からの需要取り込みも期待されるとしている。

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