Sharp Energy Solutions Europe(SESE)は,国際食料政策研究所(IFPRI)がエジプトのファイユーム農村地域に導入する太陽光灌漑設備プロジェクト向けに,両面受光型太陽光パネル4900枚(出力規模計462kW)を納入すると発表した(ニュースリリース)。納入時期は2023年11月中旬予定。
このプロジェクトは,ファイユーム農村地域を流れる用水と同地域に点在する15カ所の灌漑設備に,太陽光発電を動力源とした給水ポンプを導入することにより,小規模農家への灌漑用水の供給手段を改善するもの。
中東・北アフリカ地域におけるサステナブルな農業の促進および食料安全保障の課題に対処するプロジェクトとして,日本の外務省が支援を行なっている。
夕方や夜間には太陽光発電システムの出力が大きく低下するため,このプロジェクトでは,太陽光発電システムとディーゼル発電または系統からの電力を組み合わせたハイブリッドシステムを採用したという。
太陽光発電システムの導入により,ディーゼルや系統駆動に必要な燃料・電気代をおよそ50%賄え,灌漑が昼間のみに限定される場合は,燃料・電気代を100%近く削減できる見込みだという。
また,灌漑コストの削減のみならず,農業用水の安定供給により,野菜や果物など食料の生産性の向上,雇用機会の創出などにも貢献するとしている。