2022年,業務・産業向けプリンタ出荷台数は128万台

矢野経済研究所は,業務・産業向けプリンタの世界市場を調査し,各出力機器の出荷台数・出荷金額,利用動向,参入企業シェア・動向,将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。

この調査では,荷物の送り状・伝票・複写用紙・契約書などの特殊用紙の印刷に特化したシリアル・インパクト・ドット・マトリクス(SIDM)プリンタやライン・インパクト・ドットプリンタ,ラベル印刷やデジタル印刷,オンデマンド(POD)印刷等が可能なプロダクションプリンタ,A2判以上の大きさの印刷が出来るLFP(大判プリンタ,インクジェット方式)の業務・産業向けプリンタ4カテゴリを対象とした。

それによると,2022年度の業務・産業向けプリンタ世界出荷台数は前年度比99.6%の128万3,079台,出荷金額は同116.1%の8,877億2,100万円(いずれもメーカー出荷ベース)となった。

業務・産業向けプリンタは,新型コロナウイルスの影響による経済活動の停滞により,各カテゴリで出荷が一時的に落ち込んだ。コロナ禍の行動制限緩和とともに,企業の設備投資なども回復に転じたことで,出荷金額は回復基調となったという。

各カテゴリ別に市場を見ると,出荷台数全体の6割以上を占めているSIDM市場とライン・インパクト・ドット市場は,用途が限られ,需要も減退していることから,出荷台数ベースでは前年度比で減少という結果となった。

一方,1台あたりの単価が高額で,出荷金額全体に占める割合が大きいプロダクションプリンタやLFP(インクジェット方式)は,デジタル印刷やオンデマント印刷,大判印刷等の需要が拡大しており,出荷金額ベースでは前年度比で大きく伸びているとする。

成長トレンドのプロダクションプリンタ市場とLFP(インクジェット方式)市場は回復,減少トレンドのSIDM市場とライン・インパクト・ドット市場は弱含みで,業務・産業向けプリンタ世界市場は製品カテゴリにより,明暗がはっきり分かれる結果となった。

今回の調査で注目したUVプリンタは,プリントしながら紫外線(UV光)を照射し,瞬時にインクを硬化させるため,乾燥時間を必要としないといったメリットがある。また,耐候性にも優れ,ガラスや金属などの紙以外のメディア,円筒など平面以外のものにも印刷することが出来る。

多様な用途,速乾性,幅広い製品ラインナップなどがユーザー企業に支持されており,国内の主要メーカーのいずれも,世界市場において順調に出荷台数を伸ばしているという。2022年度のUVプリンタの世界出荷台数は前年度比115.4%の1万2,359台,出荷金額は同109.6%の990億円となった。

2023年度以降はラテックスプリンタなど,低VOCで環境に配慮した他製品の伸長もあり,市場の伸び幅は小さくなると考えるが,今後も成長は続いていくと予測した。

将来展望については,2023年度の業務・産業向けプリンタ世界出荷台数は,前年度比97.2%の124万6,662台,出荷金額は同107.8%の9,567億8,300万円になると予測した。

2022年度と同様に,減少トレンドにあるSIDM市場の影響で出荷台数は減少する見込み。一方,プロダクションプリンタ市場とLFP(インクジェット方式)市場では,下位モデルの需要増による裾野拡大や印刷用途が広がっており,出荷金額は増加する見通しだという。

その他,半導体不足を背景とした製品の供給不足やサプライチェーンの混乱などは徐々に緩和されているものの,市場はウクライナ問題による経済活動の停滞や,円安による輸出拡大・増収などの影響を引き続き大きく受ける見込みだとしている。

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