キヤノン,光干渉断層計とデジタル眼底カメラを発売

キヤノンは,眼科機器の新製品として,OCTと眼底カメラの機能を有する光干渉断層計「OCT-R1」およびデジタル眼底カメラ「CR-10」を2023年10月下旬に発売する(ニュースリリース)。希望小売価格は,光干渉断層計「OCT-R1」は1,080万円。デジタル眼底カメラ「CR-10」は430万円(税別)。

OCTは,近赤外光を利用して網膜の断層像を撮影する眼科機器で,眼科や健診などで,近年増加している緑内障や加齢黄斑変性など眼の疾患の診断や経過観察に用いられている。

眼底カメラは,目の奥の網膜や血管を撮影し,さまざまな眼の疾患の観察に用いられ,さらに,生活習慣病などの健診では,高血圧性変化による動脈硬化の検査などにも広く活用されている。

新製品はいずれも,新たに開発したタッチパネル式のユーザーインターフェースを搭載。眼が写った画面をタッチするだけで,装置が撮影位置の調整を自動で行ない,撮影中の眼の動きを自動で追尾し,撮影するオート撮影が可能だという。

タッチパネルを用いた簡単な操作で,左右の眼の撮影から検査結果の一覧表示までを自動で行なうことができるため,撮影者のスキルに頼らず撮影が可能。さらに,撮影に失敗した画像を自動判定し,確認画面に表示。再撮影をワンタッチで簡単に行なうことも可能であるという。

また,撮影時に被検者を音声で誘導する音声ガイダンス機能を搭載。日本語のほか,英語など計7言語に対応。日本語以外でのガイダンスが可能なため,さまざまな被検者の撮影をサポートすることが可能だとしている。

「OCT-R1」は,OCT断層像とカラー眼底写真を一度のワンタッチ操作で撮影が可能。OCTにおいては従来機種を上回るスキャン幅約14.7mm,深さ約13.4mmの広画角撮影を実現。広範囲を一度の撮影で高精細に画像化できるため,病変の早期発見などに貢献するとしている。

また,高画質なOCTの断層像により,脈絡膜から網膜,硝子体の状態を観察することが可能。眼科系疾患の診断・治療方針の決定などに貢献するという。

さらに,眼底の三次元画像から画像処理技術を用いて血管形態を抽出するOCTAの撮影が可能。AIによるノイズ低減処理機能「Intelligent denoise」を搭載し,ノイズの少ない高画質なOCTA画像を簡単に取得することができる。

新製品はいずれも本体を小型化し,PCなどの必要な付属品を光学台にコンパクトにまとめたことにより,省スペースでフレキシブルなレイアウトが可能。ディスプレーの位置を使用環境によって変更できるため,撮影者と被検者がL字型もしくは横並びでの配置も可能だという。

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