古河電工,DFBレーザーダイオードチップを量産化

古河電気工業は,業界最高水準の光出力を誇る100mWのDFBレーザーダイオードチップについて,2024年1月より量産を開始すると発表した(ニュースリリース)。

クラウドサービスの普及や生成AIの登場を背景にデータセンタなどで通信トラフィックが増大するなか,従来の400Gb/s以下から,800Gb/sや1.6Tb/sといったさらなる伝送速度の高速化が求められている。

データセンタにおいては,強度変調方式の光トランシーバが広く用いられており,近年では,小型・高集積,低消費電力,低コストという強みを持つシリコンフォトニクス技術が注目され,単一波長で高出力な光源としてDFBレーザダイオードチップが多く採用されている。

こうしたなか,伝送速度の高速化により高速強度変調時の光損失が増大することから,搭載されるDFBレーザーダイオードチップに対してもさらなる高出力化が求められる一方,データセンタやネットワーク基地局では,光トランシーバなどの使用量が増加しており,エネルギー消費量の増加が問題となっている。

同社は長年培ってきたInP(Indium Phosphide)半導体チップ技術の活用により,2022年9月に業界最高水準となる100mWの高出力DFBレーザダイオードチップの開発に成功し,2024年1月から量産を開始するという。

この製品の高効率化により,同社従来品と比較して電力変換効率が16%から22%に改善された。これにより,800Gb/sを超える大容量通信に対応する高性能な光トランシーバへの採用やデータセンタにおけるエネルギー消費量の削減が期待されるとしている。

DFBレーザダイオードチップの主な製品仕様は以下の通り。

特性仕様値特性仕様値
光出力100mWサイドモード抑圧比Min. 35dB
動作温度-5 ~ +75℃ビーム広がり角(垂直)Typ. 22 deg
ピーク波長1271/1291/1311/1331nmビーム広がり角(水平)Typ. 18 deg

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