SSS,1.3型OLEDマイクロディスプレー発売

ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)は,4K(3,552×3,840)の高解像度によりリアルな空間再現に貢献する大型で高精細な1.3型OLEDマイクロディスプレー「ECX344A」を発売すると発表した(ニュースリリース)。サンプル価格は150,000円(税抜)。

一般的にディスプレーデバイスにおいて,高解像度化を進め画素数が増えると,画素ごとの輝度などの特性にばらつきが生じ,画質が劣化する。この製品は,トランジスタのレイアウトやプロセスを最適化し,さらに独自のばらつき補正回路を採用した。

これにより,トランジスタ特性のばらつきを改善し,4Kの解像度を有しながらも均一な輝度特性による高画質を実現した。さらに,新開発の高速駆動用ドライバー回路を実装することで,毎秒90フレームの滑らかな映像を実現するという。

また,この高画質性能を1.3型の大型なディスプレーで実現したことにより,搭載製品における広視野角な映像表現に貢献するとしている。

さらに,従来技術では色域と輝度の性能はトレードオフの関係にあったが,この製品では色域を広げながら,光の利用効率を改善する独自の画素構造を採用した。これにより,DCI-P3を96%カバーした広色域と高輝度の両立を実現し,高精細とあわせることでリアルな映像による没入感を高めた体験が可能。

仮想空間では,周りの景色を見まわしたときに,映像の遅延や残像があると,没入感が失われ,脳が違和感を抱くことがある。

VR/AR向けヘッドマウントディスプレーにおける体験価値向上に向け,この製品では,残像感を低減させた滑らかでクリアな映像を提供するために,毎秒90フレームの高フレームレートに加え,画素の発光時間を従来比で1/5(Duty 20%駆動)と短くした。

一方で,5,000cd/m2の高輝度を実現する独自技術を生かすことにより,Duty 20%駆動においても,一般的に搭載製品の明るさとして求められる1,000cd/m2の輝度を実現することで,明るさと残像感の低減を両立させた。

また,4K高解像度を表示するためには,搭載製品側で高いデータ処理能力が必要になる。搭載製品側の負荷を軽減するために,用途に合わせて選べる3つの表示モードも用意した。

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