日立Astemoは,同社の交差点や単路での衝突被害軽減ブレーキに対応した「広角ステレオカメラによるセンシングシステム」が,いすゞ自動車の新型エルフに採用されたと発表した(ニュースリリース)。
交通事故を防止する有効な対策として国土交通省では,乗用車だけでなく,トラックなどの商用車への衝突被害軽減ブレーキの義務化を推進している。トラックによる事故は年々,減少しているものの,対人死亡事故の6割が車両の単路走行時,さらに4割が交差点内右左折時に起きており,広い視野角をカバーできる衝突被害軽減ブレーキの必要性は高まっているという。
新型エルフは,国内小型トラックでは初搭載となる,前方からだけでなく交差点での右左折時の「衝突被害軽減ブレーキ」(オプション)を搭載し発売されている。いすゞ自動車における商用車の豊富な知見により,交差点内右左折時の衝突軽減ブレーキ実現に向けたトラック特有のユースケースの想定と,その対応に必要な仕様設定を日立Astemoが受け,「いすゞ向けセンシングシステム」の開発を進めた。
このセンシングシステムには,検知範囲拡大を可能にした120度広角ステレオカメラを用いている。これをトラックの安全装備として広く採用されるミリ波レーダーの検知情報と連携させ,交差点ブレーキ対応を可能とする新開発の制御ソフトを実装することで,より高精度な広角検知を実現し,交差点や単路における衝突被害軽減ブレーキを可能とするとしている。
日立Astemoは,今後も商用車メーカーにおける,高度な先進安全運転支援技術を通した車両の安全機能を拡張するニーズに対応し,ステレオカメラなどセンシング製品の採用拡大を図っていくとしている。