東北大,光電融合の不揮発性磁気メモリ材料を開発

著者: 梅村 舞香

東北大学,韓国科学技術院(KAIST),米マサチューセッツ工科大学(MIT)と協力し,光で情報記録が可能であるコバルト/白金構造が,今回電気でも効率的情報記録できることを示し,光ファイバーからでも電気配線からでもデータを蓄積できる光電融合が可能な不揮発性磁気メモリ材料の開発に成功した(ニュースリリース)。

あらゆる場所で通信を可能にする第6世代移動通信や膨大なセンサーや機器がネットに同時接続される情報通信社会では,情報量の爆発的な増加が見込まれるため,光の大容量・高速化と電子の低消費電力化を同時活用できる情報処理・記録技術が求められている。

電気で動く半導体と光配線の間には,光情報を一時的に記録し半導体集積回路に伝送,そこで処理された情報を再度記録する必要があるため,光でも電気でも情報を記録できる材料が求められていた。

強磁性体を記録媒体として用いる不揮発性磁気メモリでは,磁化方向の上向きと下向きを反転させ情報を記録させる。光を照射することで磁化反転できる材料としてコバルト/白金構造が知られており,光電融合の不揮発性磁気メモリ応用として研究がなされてきた。

しかし,コバルト/白金構造において電気的に磁化反転を行なうには,外部磁場を印加しなければならならず,光と電気の高度融合を実現する上でボトルネックとなっていた。

今回,研究グループが用いた単結晶コバルト/白金構造では,磁化容易軸方向が薄膜全体では膜面に垂直方向に揃っているが,局所的に面内方向に傾いた磁化を持つ領域が存在することを明らかにした。

この磁化の傾きと磁化のねじれを誘起する界面ジャロシンスキー守谷相互作用が組み合わさることで,外部磁場不要の電流注入磁化反転を可能にした。強磁性体/非磁性体二層構造のみというシンプルな構造で磁化反転が実現できるため,デバイス設計・作製・プロセスが飛躍的に単純化できる可能性がある。

さらにコバルト/白金構造は,光照射により磁化反転ができる材料として知られていることから,光でも電気でも情報を記録できる材料として光電融合インターフェースに利用できる不揮発性磁気メモリとして期待できる。

今回電気でも効率的に情報を記録できることを示したことで,高速・低消費電力で電源を切ってもデータが消えない不揮発性磁気メモリを活用した光電融合インターフェースが実現できる。

研究グループは,特に光信号と電気信号を同時活用する高速・大容量サーバーにおけるデータバッファメモリや自動運転など大量の情報をリアルタイムで処理するエッジデバイスの一次データ処理メモリとしての期待が高まるとしている。

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