マクニカは6月19日,東京都と,自治体として初となる「ペロブスカイト太陽電池」を用いた空気質モニタリングソリューションの実証事業を開始したと発表した(ニュースリリース)。
ペロブスカイト太陽電池は,薄く,軽く,曲がり,材料によって半透明にすることが可能なことから,次世代太陽電池として注目されている。
少ない光量でも発電することができるため,身の回りの小型電子機器や,これまで太陽光パネルを設置できなかったようなビルの壁面,宇宙空間など,さまざまな場所で独立電源を得ることが可能となり,大面積塗布技術によって大幅なコスト削減も期待されている。
マクニカは,昨年,京都大学発スタートアップのエネコートテクノロジーズの「ペロブスカイト太陽電池」を採用した空気質センサーを開発,実証実験を続けてきたが,今回東京都の協力のもと,エネコートと三者で,自治体として初,また実オフィス環境下においても初となる実証事業を開始する。
使用する「空気質センサー」は,空気の品質を常時チェックし,モニターする。CO2,PM(ほこり,ちり),有害物質,および湿度・温度の数値から,快適に過ごせる空気質空間かを可視化する(商品名「AiryQonnect(エアリーコネクト)」)。
今回「ペロブスカイト太陽電池」を組み込むことで,独立電源を確保し,設置場所の自由度やバッテリー交換不要といった面で,環境負荷の少ない空気質の観測が可能になることが期待される。
同社は今後,東京都庁の執務室内を,空気質モニタリング(CO2,温湿度,照度)の実証の場として活用し,「ペロブスカイト太陽電池」搭載のIoTセンサー端末の量産化に向けて,検討・検証を進めていく。
三者はこれを機に,「ペロブスカイト太陽電池」の実用化と,空気質改善による都民の生活品質の向上が実現できるよう,積極的に取り組んでいくとしている。