2027年感光性樹脂材料世界市場,22年比17.1%増

著者: sugi

富士経済は,半導体やFPD(フラットパネルディスプレー),印刷,建築,自動車など幅広い分野に使われ,中長期的に需要の増加が予想される感光性樹脂材料とその原材料の市場を調査した。その結果を「2023年光機能材料・製品市場の全貌」にまとめた(ニュースリリース)。

それによると,2022年は,UV/EB硬化型インキ,印刷面用UV/EB硬化型ニスなどの印刷関連材料は伸びたが,それ以外の分野が前年を下回り,市場は前年比2.8%減の43万488.7トンを見込む。原材料価格高騰により前年から続いて値上げが行われたことで金額ベースでは拡大するとみている。

今後は半導体向けの半導体用フォトレジストや再配線形成材料,有機EL向けの有機EL用絶縁膜材料,有機EL用シール材(UV硬化型)などの需要が増加し,電子材料がけん引して市場は拡大していくとみる。

電子材料は,半導体関連の半導体用フォトレジストや有機EL向けが拡大する一方,FPD関連のTFT形成用レジストなどは前年までの巣ごもり需要の一服や,需要の先食いに伴うLCDパネルの在庫調整で苦戦したため,2022年は縮小するとみる。

2023年は苦戦していたFPD関連のレジストの需要が回復に向かい,各品目が伸びることで市場は拡大するとみる。規模の大きい半導体用フォトレジストは成長が続くが,スマートフォン市場の停滞などによる需要減退のため成長は鈍化すると予想する。

塗料・コーティング材は,規模の大きいUV硬化塗料・コーティング材(エレクトロニクス用)がフィーチャーフォンやスマートフォンの出荷台数減少の影響で苦戦し,2022年の市場は前年を下回るとみる。今後はUV硬化塗料・コーティング材(自動車用)やフィルム用ハードコーティング材の伸びを予想する。

UV硬化塗料・コーティング材(エレクトロニクス用)は5G通信への切り替え需要や折り畳み型スマートフォンへの関心の高まりで伸びるが,2020年代半ばごろからはスマートフォン市場の飽和により再びマイナスに転じると予想する。

印刷関連材料は,世界各地の経済成長や人口増加に伴って紙パッケージやシール・ラベル、サイン・ディスプレーなどで需要が増加しているという。2023年は欧州や北米経済の減速が伸びを阻害するとみられるものの,拡大が続くと予想する。

3Dプリント用UV硬化型樹脂は医療・歯科や産業機械,自動車といった幅広い分野で需要増加が予想されるほか,UVナノインプリント材料はMRスマートグラス向けなどXR(AR/VR/MR)関連で大幅な需要増加が期待されるとする。

粘接着剤は,LCD(液晶ディスプレー)やスマートフォン,タブレット端末向けが主体であるため,2022年はこれらの需要が減少したことによって市場は縮小するとみる。2023年以降はLCD市場の回復や車載関連での需要増によって拡大していくとみている。

モノマー・オリゴマー市場は塗料やレジストなどで使われるアクリレートモノマーの規模が大きいという。2022年はニスやインキ向けが増加したが,ディスプレー市況の悪化でレジストを始めとした電子材料向けが減少したため,市場は一時的に縮小するとみている。

メタクリレートモノマーやエポキシアクリレートは電子材料向けが多く,今後はエレクトロニクス関連での需要増加によって伸び,アクリレートモノマーもインキなどでの需要に支えられて市場拡大が続くとみている。

レジストポリマー市場は中国のパネルメーカーの工場稼働率低下によりFPD向けのg/i線レジスト用ポリマーの需要が減少したため2022年は縮小したが,2023年以降はFPD向けが上向き,拡大していくとみている。

EUVレジスト用ポリマーは市場規模が小さいものの,価格が高いことから金額ベースの市場の伸びに貢献しているという。EUVレジストのユーザーが微細化を進めているため,今後はEUVレジスト用ポリマーが最も伸長するとみている。

添加剤市場は光重合開始剤がほとんどを占めるという。光重合開始剤は主にインキや塗料・コーティング材に用いられ,これらは世界各地で需要が増加していることから今後も伸びが続くとみる。また市場規模の小さい光酸発生剤も各種レジストの伸びに伴い,中長期的に伸長していくと予想している。

他にも注目市場として,調査では下記の市場を挙げている。
●有機EL用シール材(UV硬化型)【感光性樹脂材料/電子材料】
●3Dプリント用UV硬化型樹脂【感光性樹脂材料/印刷関連材料】
●再配線形成材料【感光性樹脂/電子材料】
●アクリレートモノマー【原材料/モノマー・オリゴマー】

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