東芝エネルギーシステムズは,2023年2月11日に桐蔭学園,東急,東急電鉄,横浜市の4者が東急田園都市線・青葉台駅正面口改札前自由通路にて実施するペロブスカイト太陽電池(以下,同電池 )の先行実証実験向けに,大面積のフィルム型同電池を実験資材として提供すると発表した(ニュースリリース)。
この実験は,地域の人々が日常的に利用する青葉台駅正面口改札前自由通路において,この太陽電池の特長である屋内の光の下での発電実証実験を行ない,その性能を確認し,各者の保有する資産(既存建物,駅,車両,高架橋など)への設置など将来の活用方法の検討に活かすことを目的とするもの。
同社が提供するフィルム型の同電池は,東芝独自のメニスカス塗布法を用いて作製した。この塗布法を応用して作製したフィルム型の同電池(面積:703cm2,受光部サイズ:24.15cm×29.10cm)は,大面積のものとしては世界最高のエネルギー変換効率(16.6%)を記録している。
この塗布法を用いることで,エネルギー変換効率の向上と生産プロセスの高速化を両立することが可能になるとする。同社は現在,高効率かつ低コストなフィルム型の同電池の実用化に向けて開発を進めているとしている。