米MKS Instrumentsは,SPIE Photonics West 2023で「Ophir StarViewer iOSアプリ」を発表した(会社HP)。
このアプリは,最大8KWの高出力産業用レーザーを測定することが可能な超小型レーザーパワーメーターである「Ophir Arielレーザーパワーメーター」と連携して,アディティブマニュファクチャリング,工業用切断および溶接,医療機器,実験室における研究などのアプリケーションをリモートでサポートするように設計されている。
このアプリは,iOS iPhoneおよびiPadにワイヤレスでレーザーパワー/エネルギー測定値を提供。データは,時間ベースのライングラフ,アナログ指針表示,または統計を含む大きな数値表示などさまざまな形式で表示できるとし,ユーザーは,フィールド技術者が結果をラボに報告する必要がある場合などに,スクリーンショットをキャプチャして共有することも可能だとしている。
「Arielパワーメーター」は,堅牢なバッテリ駆動のデバイスで,水やファンによる冷却が不要で手のひらに収まるほどコンパクトだとし,200mWから8KWまでのレーザー出力および,銅溶接でますます普及している440~550nmの緑色および青色レーザー,ほとんどの金属加工で使用される900~1100nmのファイバーレーザー,10.6μmCO2レーザーおよび2.94μm医療用レーザーを含む幅広い波長を測定することが可能だという。
アディティブマニュファクチャリングチャンバー内のレーザーは,特に使用開始前など,定期的にチェックする必要があるが,これらが閉鎖された限られたスペースであり,オペレーターの運用およびケーブルや別のディスプレー装置の利用には適していないことが課題となる。このアプリと「Arielパワーメーター」を使用することで,ユーザーはチャンバー内で直接測定を行ない,Bluetooth経由でiPhoneまたはiPadに転送が可能。これにより,測定プロセスが簡素化され,正確な造形が保証されるとしている。
このアプリは,Apple App Storeから無料で入手可能。Android版もGoogle Playストアから入手できる。なお,この製品について,日本国内ではオフィールジャパンが案内を担当するという。