キヤノン,148dB/1.0型/1,260万画素センサー開発

キヤノンは,監視用途向けとして業界最高レベルのダイナミックレンジ148dBを実現した,1.0型で有効画素数約1,260万画素(4,152×3,024)の裏面照射積層型CMOSセンサーを開発した(ニュースリリース)。

明暗差の大きい環境下での撮影において,明部から暗部まで自然に見える画像を取得するために,一般的なハイダイナミックレンジ撮影では,露光時間を変えた複数の画像を合成する処理が必要となる。この処理を行なうことで露光時間のずれが生じ,移動する被写体が重なって写ってしまう(モーションアーチファクト)という課題がある。

このセンサーは,画面を736分割し,領域ごとの明るさに応じて最適な露光時間を自動で決定するため,モーションアーチファクトが発生せず,移動する人物を撮影する場合でも顔認識の精度が向上できるようになるというもの。また,合成処理が不要となり,1フレームあたりの扱うデータ量が少なくなるためm約1,260万画素の多画素で約60fpsの高速な撮像性能を実現した。

具体的には,2つ前のフレームと1つ前のフレームの差分から,被写体の動いている部分を検出する(①動体マップ生成)。1つ前のフレームで,被写体の明るさを領域ごとに認識し,輝度マップを生成(②)。

隣り合う領域の輝度差が大きくなりすぎないよう滑らかにした上で(③隣接露光量差低減),動体マップの情報から露光条件を補正し,最終的な露光条件を決定(④)。決定した露光条件(④)を対象フレームの撮像に反映する。

動画は静止画(1フレーム)の連続でできているが,1フレームの時間内で露光条件の設定を完了させないと,明暗が激しく変化する環境や,速い動きの被写体の撮影に追従することが難しくなる。

このセンサーは,複数のCPUと専用の処理回路を内部に搭載しているため,1フレームの時間内で領域ごとの露光条件設定を同時に素早く処理することができるほか,撮影環境や使用用途に応じて撮影条件などをカスタマイズすることが可能だという。

同社では,速い動きの被写体を高精度に撮影するニーズのある道路や駅,明暗が激しく変化するスタジアムの入り口などの環境での使用が期待されるとしている。

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