五藤光学,LEDドームを開発

五藤光学研究所は,「LEDドーム」を自社で開発し,販売を開始すると発表した(ニュースリリース)。

LEDドームはLED素子を利用した映像システムであり,曲面に色鮮やかな映像を投映するだけでなく,その特長である高輝度,高色域を活かし,明るい環境下でも映像を視認することが可能となる。

同社は,長年培ってきたプラネタリウムやドーム映像のノウハウを元に,国内のLEDビジョンメーカーの協力の下,自社製の描画エンジン「バーチャリウムX」を用いて,東京都府中市の本社工場内に直径5m径のデモンストレーション用「LEDドーム」を開発・設置した。

従来のドーム映像はビデオプロジェクターを用いて投映していたため,室内環境を暗くする必要があったが,「LEDドーム」は自発光であるため,ロビーやエントランス,多目的ホールの天井など,明るい環境下でも映像を視認することが可能。「LEDドーム」の採用により,これまでとは異なる魅力的な空間を創造するという。

「LEDドーム」における映像の制御には同社が開発した全天周デジタル映像システム「バーチャリウムX」の技術が用いられており,ドーム曲面に配置された無数のLED一つ一つに対してドット・バイ・ドットで映像を送出することで,プロジェクターによる投映映像に比べ遥かに鮮明で美しい映像を表示する。

同社では,この「LEDドーム」の開発・設置により,異なる解像度,ドーム径,形状などに対するノウハウを獲得。プラネタリウムなどの既設のドームメディアにこだわらず,LEDドームを活用することが可能なあらゆる施設(博物館や美術館,テーマパーク,商業施設,各種展示など)に対して販売を行なっていくとしている。

デモンストレーション用「LEDドーム」の性能は以下のとおり。
・ドーム径:5m
・ピッチ幅:2.0mm
・円弧ピクセル数:3,925 pix
・最大輝度:800nit
・色深度:RGB8bit(10bit対応可能)
・諧調:16bit
・リフレッシュレート:3,840Hz
・フレームレート:60/120 fps
※この仕様はデモンストレーション用のLEDドームのものであり,納入仕様とは異なる。

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