光技術展示会「光とレーザーの科学技術フェア2022」(11月9日(水)~11日(金),東京都立産業貿易センター浜松町館)において,東ソー(可視光・次世代レーザー応用ゾーン ブースNo4V-09)は,各種スパッタリングターゲットを紹介している。
同社のユニークな取り組みとして「GaNスパッタリングターゲット」がある。青色レーザーやLEDに欠かせないGaN基板は,通常CVD法によって作製されるが,同社はこれをスパッタリングで作製する手法を提案している。これにより,高価なCVD装置を導入しなくても,スパッタリング装置を持っていれば,GaNの成膜が可能となる。
このターゲット材は,試薬として市販されているGnN粉末よりも大幅な高純度化を達成するなど,高純度・高密度を特長とし,スパッタ法によって従来のCVD法のような格子縞が観察できるエピタキシャル成長が可能。品質的にもCVD法による成膜と変わらないものが作れるという。
厚さ~5mmt(それ以上は応相談)の丸形で提供され,対応サイズは~φ6インチだが,~φ12インチまで応相談としている。現在のところ価格が高いのがネックだというが,LEDやディスプレーに使われる大型のターゲット材の供給などへの適用を目指しし,量産効果によって価格を下げたいとしている。
また,「高抵抗膜用CrSiターゲット」は,高抵抗で熱安定に優れた薄膜を作成可能なターゲット材で,他社品と比較した場合,道度は同等ながら金属不純物および酸素量を大幅に削減するとともに,小粒径化により高強度も達成しているという。
他にも,透明電極のITOに付加することで可視光の吸収と電気抵抗を共に下げる「可視光低吸収SRターゲット」や,赤外光を透過し,電気抵抗を下げる「赤外光透過 SREターゲット」,低温で結晶化し電気抵抗下げる「低温結晶化USRターゲット」なども紹介している。