ニコンは,ものづくり現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)向けに,超小型マシンビジョンカメラ「LuFact(ルファクト)」を発売する(ニュースリリース)。
この製品は,同社がデジタルカメラで長年にわたって積み重ねてきた独自の画像処理技術から生まれた同社初のマシンビジョンカメラで,撮影を行なうカメラヘッドから画像処理を行なうインターフェース変換ユニット(I/F変換ユニット)を分離することによってカメラヘッドの超小型化を実現している。
今回,カメラヘッドは高感度モデル「AH020-MR」(1/2.8型CMOSイメージセンサ,1945(H)×1097(V)213万画素)と高解像度モデル「AH080-MR」(1/1.8型CMOSイメージセンサ,3864(H)×2180(V) 842万画素)の2機種,I/F変換ユニットは,伝送規格が異なる2種「A1000-G」(GigE Visionモデル),「A1000-U」(USB3 Visionモデル)を発売する。
主な特長として,カメラヘッドからI/F変換ユニットを分離することで,カメラヘッドの超小型化を実現。既設の装置や生産ラインに取り付けやすい,高い自由度を備えている。超小型で軽量であるため,ロボットハンドにも取り付けが可能で,ロボットを使用した作業の精度向上にも貢献するという。
また,生産ライン上や設備内などに取り付けて撮影するカメラヘッドと,発熱源となるI/F変換ユニットを分離して設置できるため,生産ラインに与える熱影響を低減。カメラヘッド周りの温度が高くなる環境下でも,I/F変換ユニットを離すことで,サーマルシャットダウンによる撮影停止を抑えることができる。
さらに,「LuFact」シリーズのカメラを制御するアプリケーションを容易に開発するために,ソフトウェア開発キットとして,アプリケーションプログラミングインターフェース(API),開発者向けリファレンスマニュアル,サンプルコードを用意。短い工数で柔軟なアプリケーションを開発することができるとしている。
なお,商品名「LuFact」は,Luminous Factory Cameraをもとにした造語で,明るい工場を実現するカメラを表現し,従来見えなかった事実を可視化するというFactの意味も込めているという。発売時期は2022年8月31日を予定。