エドモンド・オプティクス・ジャパンは,レーザーオプティクスメーカーである独UltraFast Innovations(UFI)と提携し,「UltraFast Innovations(UFI)EUVアト秒多層膜ミラー」を独占的に販売すると発表した(ニュースリリース)。
超短パルス極端紫外(EUV)システムは,自由電子レーザー(FEL)などの量子光学アプリケーションにおいて重要性を増している。原子レベルの厚さのコーティング層で設計・製造されたこのミラーは,波長/エネルギー,スペクトル位相,高効率という点で非常に高い精度を実現している。
アト秒パルスのステアリング,集光,整形用にデザインされており,その多層膜コーティングは,65eV(19nm)を中心にして6eV(1.8nm)のバンド幅を持ち,s偏光の光に対して38%のピーク反射率が得られる。また,330アト秒の持続時間を持つEUVパルスに対応し,高次高調波発生 (HHG)に基づくアト秒パルス生成や整形に理想的だとする。
アト秒EUVミラーのような複雑な超短パルス用オプティクスはカスタム設計が必要な場合が多く,少量生産による価格や長いリードタイムが多くの場合許容できるものではなかったが,両社がパートナーシップを組むことにより,このミラーを在庫し,世界中に短納期で出荷できるようになったという。
これにより,少量でも価格とリードタイムを抑えることが可能となり,特に故障したシステムの迅速な修理,システム試作のための新しいアイデアの迅速な検証,研究を通じた科学的発見のスピードアップを可能にするとしている。