ブイテク子会社ら,センサーで丹羽高柳賞を受賞

ブイ・テクノロジー子会社のオー・エイチ・ティーは,東北大学との共同研究の成果「高精度・高空間分解能・リアルタイム・近接容量 CMOS イメージセンサー技術とその応用」 について,映像メディア学会「丹羽高柳賞(論文賞)」を共同受賞した(ニュースリリース)。

丹羽高柳賞は,世界で初めてブラウン管による映像電送実験に成功した高柳健次郎氏と,東京電機大学初代学長であり,映像情報メディア学会の前身であるテレビジョン学会初代会長の丹羽保次郎氏の功績を記念して設立された。丹羽高柳賞の論文賞は,その年度に発表された論文の中で,高い評価が得られた論文に対して与えられる。

受賞対象となったのは,微小な容量分布を2次元で高精細に動画撮影が行なえる近接容量イメージセンサの開発。近接容量イメージセンサは,指紋認証やタッチセンサー,材料内部の非破壊検査,液面レベルセンサー等に使われており,今後はフラットパネル・電子回路基板の非接触による電気検査や,細胞反応の可視化,植物活性度のモニタリング等への活用も期待されている。

開発した近接容量イメージセンサでは,高感度CMOSイメージセンサの研究で培ったノイズリダクション技術を応用し,0.1アットFの容量検出精度を達成した。プロトタイプチップによる優れた容量イメージング性能を実証し,微小な二次元容量分布を高感度・高精細にリアルタイムで検出する技術の原理確認に成功した。

今回,その構造と製法を確立し,応用可能性を探索したことが評価された。電気を可視化できるという特性を活かし,同社では基幹事業の一つである電気回路基板の欠陥検査への応用を実用化しており,今後,有機ELやマイクロLEDなどの 先端的表示デバイスの配線検査への応用を実用化し,次世代の表示デバイスの普及に 寄与すべく開発を進めるとしている。

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