2022年,LCD-TFT/AMOLED向け偏光板7.1%増

矢野経済研究所は,2022年の偏光板及び部材フィルム世界市場を調査し,製品セグメント別の動向,将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。

それによると,2021年における偏光板の世界生産量は前年比108.8%の62,745万m2,LCDタイプ別では,LCD-TFT向け/AMOLED向け偏光板が圧倒的で全体生産量のうち99.1%を占めたと推計している。

LCD-TFT向け/AMOLED向け偏光板の2021年における世界生産量は62,150万m2,同109.1%と大幅な成長を遂げた。コロナ禍を背景とした,外出自粛による巣ごもり需要でのディスプレー特需は2021年に入っても変わらず,ほぼ全ての偏光板メーカーはフル生産体制を続け,2021年第3四半期まで大型ディスプレー向けを中心とした偏光板の供給はタイトな状況が続いていたという。

また,2021年上期においては,TVセットやディスプレーパネルメーカー側で製品安全在庫の確保や部材不足による生産停止回避のための発注が続いたため,2021年の偏光板生産量は,ディスプレーパネルの総出荷面積とは完全に連動せず,実際のディスプレーパネル総出荷面積以上の偏光板面積が生産される結果となったとする。

調査では,Outer側PVA保護フィルム市場の動向に注目した。それによると,国内における光学用PETフィルム新規ラインの稼働は偏光板業界に大きな影響を与え,光学用PETフィルムの新規生産能力がマーケットに投入されることで,Outer側PVA保護フィルム用のP-TACフィルム市場規模が縮小していくとみられた。

しかし,大口偏光板顧客からのPETフィルムのニーズや使用量増加は想像以上で,新規供給能力が加わったにも関わらず,顧客の偏光板新生産ラインの稼働に伴うさらなる需要拡大への対応に追われているという。

2022年以降,中国偏光板メーカーを中心に偏光板生産ラインの新規稼働,及びさらなる新規投資が本格化していく見通しだという。Outer側PVA保護フィルム市場において,P-TACフィルムの生産能力は新規投資を行なわない限りこれ以上増える余地は少ないとする。

また,PETフィルムの供給能力はフルに近く,非TAC系材料のなかでPETフィルムだけでは需要に追い付かない。必然的にPMMAフィルムへのニーズは高まり,今後Outer側PVA保護フィルム市場ではPMMAフィルムの需要が大きく拡大していくと予測した。

将来展望として,2022年におけるLCD-TFT向け/AMOLED向け偏光板の世界生産量は,前年比107.1%の66,550万m2となると予測した。2021年10月から始まった大手ディスプレーパネルメーカーの生産台数減産は2022年1月まで続いたが,2月よりBOEの大型パネルの生産台数が大きく増加しているため,2022年第2四半期時点において偏光板需要は回復しているという。

2022年4月では中国系を中心としたほぼ全ての偏光板メーカーは再びフル稼働の状態で,事業開始以来最大のオーダーを受けている偏光板メーカーも多数ある。数カ月前とはまた状況が一転しており,再び偏光板需要は急拡大しているとする。

但し,2022年下期の偏光板需要は,ロシアのウクライナ侵攻を背景にTVなど電子デバイスの需要減少や,中国におけるロックダウン長期化によるディスプレーパネルや偏光板の生産・出荷体制への影響,大手偏光板メーカーの新生産ラインの稼働による影響などの要因により変動する可能性があるといい,2022年においても偏光板市場はさまざまな内外要因に影響され,市況は激しく変動していくと予測する。

中期的に市場をみると,2022年にはTVパネルの平均インチサイズは50インチ台に突入する見込みで,この面積拡大効果はパネル生産台数の減少分を相殺するだけの需要につながるため,2022年以降も偏光板世界市場は年率5%以上の成長を続けると予測している。

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