日機装は古河産業の協力のもと,深紫外線LEDを活用した除菌ユニットを近畿日本鉄道の新型一般車両内への搭載に向けて開発を開始したことを発表した(ニュースリリース)。
深紫外線は水や空気中の菌やウイルスの増殖を抑制することから,環境衛生や医療など幅広い分野での用途が期待されている。
同社の深紫外線LEDは,2014年のノーベル物理学賞受賞者とともに開発された同社のオリジナル技術。同社は世界に先駆けて実用化レベルの製品開発に成功し,2015年以降,深紫外線LEDパッケージ,それを用いた除菌モジュールを製品化。同社が定める基準を満たす深紫外線LEDを「SumiRay」(スミレイ)と命名し製品の性能,品質を保証している。
2020年1月からはこの技術を活用した空間除菌消臭装置「Aeropure(エアロピュア)」の販売を開始。医療機関をはじめ,教育関連施設,宿泊関連施設,ビジネス関連施設や個人住宅など,幅広い分野に実績があるという。
室内の空気を装置内に吸い込み,深紫外線の機能により清浄化された空気を放出する仕組みは換気との相性も良く,深紫外線LEDは従来技術の水銀ランプに比べ長寿命・小型・低環境負荷といった点で優位性を備えるとしている。
感染対策として積極的に行なわれる換気との共存を重視したこの技術が鉄道車両内の環境整備に活かせると考えた古河産業は,これまで培ってきた鉄道事業者とのリレーションを活かして鉄道向け深紫外線LEDユニットの開発をサポート。
今回の近畿日本鉄道の新型一般車両向け車両実装の開発開始に至ったとし,今後は鉄道一般車両向け深紫外線LEDユニットおよびそれに関連するシステムの開発を行ない,近畿日本鉄道の新型一般車両への搭載を目指していくという。