京産大,半導体中の未知の超微細場のゆらぎを発見

京都産業大学は,半導体Cu2Oの中の2つの同位体63Cuと65Cuの核スピン格子緩和時間の詳細な測定を銅核四重極共鳴法によって行なったところ,格子振動による緩和過程に加えて,超微細場からの磁気ゆらぎを分離測定することに成功したと発表した(ニュースリリース)。

非磁性の真性半導体であるCu2Oは格子ゆらぎが支配的であると長年思われてきた。

研究グループは,自然界に存在する2つの同位体63Cuと65Cuの核スピン格子緩和曲線の詳細な測定を,現代的な核四重極共鳴スピンエコー法によって行なったところ,電気四重極ゆらぎによる緩和過程に加えて,超微細場からの磁気ゆらぎが存在することを発見した。

真性半導体には電気伝導キャリアは存在しないはずなことから,未知の電子スピンゆらぎといえるという。イオン欠陥に起因する希薄なキャリアによる核スピン散乱機構が原因と解釈可能だが,その測定例は実際にはあまり多くない。

バンド間の電子正孔束縛状態のエキシトンによる散乱機構も考えられ,研究グループは,その理論的な解明は今後の展開に期待されるとしている。

その他関連ニュース

  • 日清紡マイクロ,琵琶湖半導体構想に参画 2024年03月29日
  • SSS,タイの事業所で光半導体製造を開始 2024年03月29日
  • NVIDIA,計算機リソグラフィを生成AIで大幅高速化 2024年03月21日
  • ブイテク,半導体フォトマスク検査装置を初出荷 2024年02月09日
  • トッパンフォトマスクとIBM,2nm向けマスク開発へ 2024年02月09日
  • SCREEN,基板向けAI検査計測ソリューションを設立 2024年01月29日
  • PDSら,ノーマリ・オフ ダイヤモンドMOSFET開発 2024年01月19日
  • 富士フイルム,熊本に先端半導体材料の生産設備建設 2024年01月16日