島津製作所は,フーリエ変換赤外分光光度計の新モデル「IRXross(アイアール・クロス)」を,3月18日から国内外で発売する(ニュースリリース)。価格は343.5万円~(税別)。
フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)は,高分子材料や有機物の分析に適しており,どのような物質が含まれているかを簡単に測定できるため,製薬市場や化学工業市場を中心に研究開発や品質検査用途などで幅広く使われている。
同社は,ハイエンドモデル「IRTracer-100(アイアール・トレーサー)」,スタンダードモデル「IRAffinity-1S」,コンパクトモデル「IRSpirit(アイアール・スピリット)」と,研究開発から品質検査,異物分析まで,目的に応じた幅広いラインナップの装置を有している。新製品は,FTIRの主要市場である製薬や化学工業分野での需要に合わせて,高い性能と簡易な操作性の両立を実現した。
感度,分解能,分析速度のいずれも現行機種「IRAffinity-1S」と比較して大幅に性能を向上。特に昨今問題視されている異物混入などの分析において最も重視される指標である感度は,S/N比55,000:1と「IRAffinity-1S」比1.8倍に向上し,クラス最高となった。最高分解能も同2倍となり,近接した光の各成分を正確に分離して表示でき,製薬分野で求められるデータインテグリティ(データの完全性)に関する規制にも対応する。
また,オプションの「ラピッドスキャンソフトウェア」を使用すれば,一秒間に取得できるデータ数は「IRAffinity-1S」比20倍となり,分析時間を20分の1に短縮しつつ質の高いデータが得られるという。
さらに,コンパクトモデル「IRSpirit」に搭載した標準ソフトウェア「IR Pilot」を標準搭載したことで,ユーザーに高い分析習熟度が無くても簡単に正確な測定結果が得られるとしている。