エプソンは,製造現場における色検査の自動化を実現するソリューションとして「分光ビジョンシステム SV-700SIO」の受注を3月8日より開始した(ニュースリリース)。
製造業では,製造工程で発生するロットごとの色の違いを一定程度に抑え,製品品質を確保するために,色のバラツキや表面コーティングの確認など様々な色に関する検査を行なう。
これらの色検査において,現在普及しているRGBカメラでは微妙な色の違いを判別できない場合があるため,人の感覚に頼った目視での確認検査が多く行なわれているが,作業者ごとのバラツキ,検査ミスの発生により不良品を市場流出させるリスクがある。
同社は,これらの色検査の課題を解決するソリューションとして,同社が開発した新技術「MEMS Fabry-Perot Tunable Filter(MEMSファブリ・ペローチューナブルフィルター)」搭載により高精度,小型化を実現した分光カメラ,分光スペクトルの測定が可能なオフラインソフトウェア「Epson Spectroscopic Vision Tools」を開発。
これにより,今まで困難であった色の定量管理を実現し,特定の検査技能者に依存せずに,製造ラインにおける色の安定した品質確保に貢献するという。さらに,検査の自動化を実現するインラインソフトウェア「EPSON RC+7.0/Vision Guide 7.0」により,検査員の工数削減や製造ライン全体の生産性向上に貢献するとしている。
このシステムに含まれる分光カメラは,幅49mm,高さ73.5mm,奥行30mm,重さ175gの小型サイズのため,RGBカメラの置き換えや製造ラインで人が立っていたスペースにも置き換え可能。
このシステムは任意に指定した面の分光情報を非接触かつ一括で取得でき,分光測色計による検査では難しい面内の色ムラなどをとらえることができる。製造ラインで流れてくる検査対象を画像処理機能で認識し,分光スペクトル測定機能で品質基準を満たしているか判断できるため,色検査を自動で行なうことが可能となり,検査員の工数削減に貢献するとしている。