パナソニックは,高速通信ネットワーク機器(ルータ,スイッチ等)に対応する低伝送損失多層基板材料「MEGTRON 8(メグトロン エイト)」を開発した(ニュースリリース)。
5Gの普及に向け様々なサービスが開始により,通信データ量は今後も飛躍的に増加することが予想され,高速信号処理への対応と消費電力の増大が大きな社会課題となっている。
IoEを支える高速通信ネットワーク機器には現状の2倍の速度となる800GbE(112Gb/s,PAM4)の対応が必要とされる。また,電気信号の高速・高周波化が進むと,電子回路基板における伝送損失が大きくなり,信号品質の確保には伝送損失がより小さい基板材料が求められている。
そこで同社では,低伝送損失と高多層基板に求められる特性を両立する独自の樹脂設計・材料配合技術をベースに低誘電正接ガラスクロス・低粗度銅箔との複合化技術を確立し,同社従来材比約30%改善した業界最高の低伝送損失多層基板材料を開発した。
この製品は,優れた耐熱性・信頼性を有し,高多層基板(20層以上)への適用も可能。さらに,同社従来材と同等レベルの加工性を有し,一般的な多層電子回路基板プロセス条件の適用が可能だという。
今回,2種のガラスクロスタイプの商品をラインアップ。同社ではデータ通信の大容量・高速化に貢献するとともに,低伝送損失化は消費電力低減にもつながるとしている。