コニカミノルタは,エッジサーマルカメラによる温度の連続測定データを保存して管理する温度モニタリングソリューション「FORXAI(フォーサイ)Temperature Monitoring App」(TMA)を開発した(ニュースリリース)。
同社は,顧客の“みたい”というニーズに応えるソリューションを提供することで,将来的な社会課題の解決を目指している。その中のひとつとして,ドイツの関係会社であるMOBOTIXのサーマルカメラを利用した温度の“見える化”技術への取り組みがある。
昨年は,新型コロナウィルス感染症拡大防止に貢献するためにサーマルカメラで人の表面温度を計測し,発熱の恐れがある対象を検知して通知する「発熱スクリーニングソリューションTSA(Temperature Screening App)」の提供を開始しており,現在も改善を続けている。
また,この夏には,対象エリアの物体温度を面で常時監視し,視覚では見えない異常熱をいち早く検知して通知する「火災予防ソリューション」の提供をはじめた。今回開発したTMAは,検知して通知するスクリーニングを目的としたものから一歩進んで,連続測定データを保存してモニタリング管理することを目的としているという。
この製品は生産現場において,設備の温度に着目して設備稼働状態の監視の自動化を支援する。センシング技術を活用したIoTシステムで目に見えない温度を捉え,カラーマップ化する。
生産設備に設置されている一般的な温度センサーは「点の温度データ」を測定しているため局所的なモニタリングに留まるが,この製品は-40℃から550℃までを測定できるサーマルカメラを用いて設備の表面温度を「面データ」として取得できるため,多くの測定点のデータが取得できる。また,時系列に表面温度を追跡することで,広範囲にわたって設備の状態をモニタリングすることができる。
例えば,温度管理が重要な生産現場において温度履歴情報の提供や異常値の検出を行なうことで,生産効率アップや品質向上に寄与する。また,熱の履歴や分布,時系列変化データの提供が,設備の保守や故障予測に有効であるとしている。
従来の「火災予防ソリューション」で異常温度を設定する際に,適切な閾値を割り出すためのデータが不足しているケースが多くあったが,この製品の導入により,モニタリング対象の温度履歴から定常状態の把握が可能となり,実データに基づいた閾値の設定を支援する。また,4台までのサーマルカメラを一括管理することができ,従来難しかった,温度測定領域設定や温度情報の統合管理を実現するという。
同社では現在もMOBOTIXのカメラからのサーマル画像を活用した社会課題解決のためのソリューションを開発中で,温度を“見える化”する商材のラインアップをさらに拡充し,顧客の“みたい”の実現を目指すとしている。