NTTドコモ,伊藤忠テクノソリューションズ(CTC),MOYAIは,マーケティング,人流解析,監視などを目的とし,配線工事が不要で短期間で導入できるIoTカメラソリューションの提供について,11月22日より協業を開始したと発表した(ニュースリリース)。
近年,ネットワークカメラの高画質化や小型化が進み,監視や見守りの用途に加えて,人流解析や店舗での行動分析,遠隔監視による業務効率化,withコロナ時代の「3密」回避などカメラの新たな活用に注目が集まっている。一方,カメラの設置に伴うネットワークの手配や電気・配線工事に多くの時間とコストが掛かるため,3社は2020年の秋頃から課題解決に向けた検討を行なっていた。
このソリューションは,MOYAIのLED一体型高機能ネットワークセンサー「IoTube(アイ・オー・チューブ)」にドコモの4Gネットワーク回線のSIMカードを組み込んだもので,ネットワークを通して収集した動画のリアルタイムな閲覧やAI(人工知能)による動画解析を短期間で実現するプラットフォームサービス。CTCは,データの保管やデバイスマネジメント,閲覧インターフェイスの開発に加えて,このプラットフォームのサービス運営を担う。
「IoTube」は,LED蛍光灯と高機能カメラが一体となったIoTネットワークセンサー。既存の蛍光灯と取り換えるだけで店内や車両内などの様子を撮影することができるため,電気・配線工事のコストが不要で,装飾やレイアウトを崩すことなく簡単に設置できる。
今回の協業により開発するプラットフォームは,スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を用いて動画データの確認やダウンロードを実施することができ,マイク・スピーカー機能を利用すれば緊急時に双方向の通話も可能だとする。
例えば小売店に来店した顧客の属性分析や動線分析を行なうことで,商品の仕入れや陳列,店舗設計などのマーケティングにこのソリューションを活用することができるという。また,各車両内の混雑度合いを把握し,乗客のモバイル端末に混雑状況をリアルタイムに配信することで,「3密」の回避にも役立たせたい考えだ。
2022年春から提供開始する新しいバージョンの「IoTube」は,エッジ端末でリアルタイムの処理と分析を可能にするエッジAIの搭載,温度,湿度,赤外線サーモグラフィ,煙検知の各種センサーなどの標準装備を予定しており,更に,MOYAIでは超高速通信を実現する第6世代Wi-Fiや第5世代移動通信方式(5G)への対応も検討しているとしている。