リコーは,プラスチック容器に直接文字やデザインをレーザーマーキングする技術を開発し,第一弾として,アサヒ飲料が12月21日からAmazonで1,200箱限定のテスト販売を行なう「『アサヒ 十六茶』PET630ml ダイレクトマーキングボトル」に採用されたと発表した(ニュースリリース)。
循環型社会の実現に向け,省資源化やリサイクルのさらなる推進が課題になっている。
飲料などのペットボトルに巻き付けているシュリンクラベルはPET素材ではないため,リサイクルする際にははがして分別する必要がある。省資源化やリサイクル時の手間削減のため,ラベルレスの状態で販売される商品も登場しているが,製品情報などの記載が必要なため,ケース単位での販売やタックシールを貼り付けるなどの対応が必要となっている。
今回のレーザーマーキングは,シュリンクラベルやタックシールなどが不要な完全ラベルレス化を実現し,省資源化および廃棄物による環境汚染の低減に貢献するとともに,プラスチック容器への直接レーザーマーキングで,消費者に提供する情報の記載とリサイクルの手間削減による循環型社会への貢献の両立を狙うもの。
このレーザーマーカーは,ペットボトルのごく表面のみ(数十ミクロン)の加工にとどめることで,ペットボトルの品質に影響をあたえずに描画が可能で,細かい描画ができるため,成分表示などの小さな文字(約6pt)から,ロゴマークやイラストに至るまで幅広く表現する。さらに,描画部分がより白く見えるように光の散乱状態をコントロールすることで,視認性の高い表示が可能となっているという。