浜ホト,小型ビームパターン光源を高密度集積

浜松ホトニクスは,2次元のビームパターンを出力する半導体レーザーでは世界最小クラスとなる,「iPMSEL」(integrable Phase Modulating Surface Emitting Lasers)素子の高密度集積技術を確立し,2mm角のチップ上に素子を縦横4列ずつ形成した「iPMSEL アレイ素子」の開発に成功した(ニュースリリース)。

この開発品は,1万点以上のドットや縞,格子,文字,CG,画像など,さまざまなビームパターンを切り替えて出力できるiPMSELアレイ素子。

同社は,フォトニック結晶面発光レーザーの技術をベースとして,独自のホログラム設計技術と微細加工技術により,2次元のビームパターンを出力する半導体レーザーであるiPMSEL 素子を開発してきた。

物体に照射したビームパターンの歪みをカメラで撮影し,表面の3次元形状を計測することができる。現在,3次元形状計測向けでは,垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)と,VCSELからの光を成形する回折光学素子(DOE)で構成される2次元のビームパターン光源が主流となっている。

このような中,VCSELとDOEによるビームパターン光源の約10分の1となる小型のiPMSEL素子を高密度に形成することで,高精度の3次元形状計測向け光源としての応用が期待されることから,同社はiPMSE素子の高密度集積技術の確立に取り組んできた。

これまでiPMSEL素子の発光部を約100μm角まで小型化するとともに,個々の素子を電気的に制御することでビームパターンを切り替えて出力できることを実証した。今回,iPMSEL 素子のプロセス技術の応用により,2mm角のチップ上に約200μm角の素子を300μm間隔で縦横4列ずつ,高密度かつ高精度で一括して形成する技術を確立し,小型のiPMSELアレイ素子の開発に成功した。

これにより,これまでと同面積に10倍以上のiPMSEL素子を高密度で形成するとともに,素子の位置精度を向上させたことで,さまざまな高精度のビームパターンを切り替えて出力可能とした。

この開発品により,位相シフト法をはじめとする高精度の計測が可能となることから,高い精度が求められる工業用の3次元形状計測機器向け光源としての応用が期待されるという。また,モーションキャプチャや顔面認証へ応用することで,精度を向上できると見込んでいる。

さらに,高密度集積技術により小型軽量化を実現したことで,内視鏡をはじめとする医療用や工業用の小型ファイバスコープなどへの応用も期待されるとしている。

主な仕様は以下の通り。
1素子あたりの出力:20mW
波長:940nm
外形寸法(W×H×D):2×2×0.2mm

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