2025年ウェアラブル/ヘルスケア市場,1兆731億円

富士キメラ総研は,高齢化社会の進展や健康意識の高まりから需要が増加するとともに,関連機器に加えて新たなサービス・ソリューションが登場している,ウェアラブル/ヘルスケア機器,サービス・システムの市場を調査し,その結果を「ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2021」にまとめた(ニュースリリース)。

それによると,2020年は,新型コロナウイルス感染症対策で需要が増えた機器やサービス/システムが多かったという。

一部では医療機関の予算縮小や企業の健康管理投資の鈍化により苦戦したものの,市場は前年比17.1%増と大きく拡大した。2021年以降は新型コロナ関連の特需は減少するものの,医療機関や法人需要の回復により,堅調な市場拡大を予想する。

医療費削減および健康寿命の延伸が求められる中,企業では健康優良法人認定制度の導入により健康経営の意識が高まり,また,自治体では第2期データヘルス計画により医療情報/健診結果の情報などのデータ分析に基づく効果的な保健事業が進められている。

今後,企業や自治体,医療機関での健康状態モニタリングやバイタルデータの分析などを活用した機器,サービス・システムの需要が増加するとみており,2020年から2025年の年平均成長率は10%を超え,2025年の市場は1兆731億円を予測する。

機器は,ヒアラブルデバイスやスマートデバイスなどの堅調な伸びに加え,新型コロナ対策でパルスオキシメーターや体温計などが大きく伸びたことから,2020年の市場は前年比20%を超える伸びとなったという。2021年以降はスマートウェアやスマートウォッチなどウェアラブル機器の伸びが市場をけん引するとみている。

カテゴリー別のウェアラブル/ヘルスケア機器における,サービス・システムの国内市場は,健康管理/増進は,2020年の市場は新型コロナ流行の影響により特需を受けた機器が多く,2021年はその反動で縮小するものの,2022年以降はサービス・システムを中心に堅調な拡大を予想する。

医療関連は,2020年の市場は新型コロナ流行の影響で血圧計や体温計,パルスオキシメーターを中心に特需が発生したことから,前年比10%以上の伸びとなったという。2021年は前年に特需を受けた品目で反動減がみられるものの,オンライン医療ソリューションや電子お薬手帳などの伸びがけん引し,市場拡大を予想する。

介護関連は,高齢者人口の増加により市場拡大が続いているという。介護施設の業務効率化につながるベッドシート型センサーやパワーアシストスーツはIT導入の補助金などの支給が継続されていることから,今後も大幅な伸びが期待されるとする。

ヘルスケア周辺機器は,現状は音楽鑑賞やゲーム,Webブラウジングなどが主要用途だが,ヘルスケアでも利用される機器を対象とした。認知度の向上に伴い,今後の市場拡大が期待されるカテゴリーであり,2025年には2020年比2.1倍の4,982億円を予測した。

ヒアラブルデバイスは音楽鑑賞を目的に導入するユーザーが多いが,バイタルデータの取得が可能な製品も発売されており,ヘルスケア利用が進むとみる。スマートグラス/HMDやスマートリングは認知度の向上により,大幅な伸びが期待されるという。

ヘルステックは,スリープテック,スポーツテック,ベビーテック,ブレインテック,スキンケアテックを対象とした。睡眠改善・支援サービスやベッドシート型センサー,スマートウォッチなどで構成されるスリープテックの市場規模が大きく,2021年は800億円を超えると見込む。睡眠計測機能を搭載したスマートウォッチの増加など,睡眠の質向上に関する需要が近年増えていることから好調だという。

企業では従業員の睡眠の質と生産性の関連が注目されており,従業員向けの睡眠改善・支援サービスの活用が増加しているほか,今後は医療分野でも睡眠データビジネスの広がりが期待されるとする。

腕装着型デバイスやスポーツ用GPSデバイス,スマートシューズなどで構成されるスポーツテックは,2021年は270億円を超える市場を見込む。今まではプロスポーツ現場への導入が中心であったが,2020年に各メーカーからコンシューマー向けスマートシューズが発売され,今後の伸びが期待されるという。

ベビー用モニターやベビースケール,授乳室検索システムなどで構成されるベビーテックは,育児のDX化促進などのニーズにより堅調に伸びるとみる。ブレインテックやスキンケアテックは現状の市場規模は小さいが,基礎研究の推進および参入企業の増加などにより需要増加を予想する。また,国家戦略としてこれらのヘルステックを後押しする施策も期待され,市場拡大の追い風になるとみる。

注目市場として取り上げたスマートウォッチの国内市場は,「watchOS」や「Wear OS by Google」などのOSを搭載した腕時計型ウェアラブル端末を対象とした。近年は心拍数の計測機能に加え,心電図機能や血中酸素濃度の計測機能など,ヘルスケア機能が拡充している。

認知度向上に伴い市場は拡大してきたが,2020年は新型コロナ流行の影響を受けた健康志向の高まりを背景に需要が急増したという。2021年以降も健康志向の高まりや認知度拡大を背景に市場は拡大するとみている。医療機器として承認された製品もあり,ヘルスケアに加えて医療用途での需要増加も期待されるという。

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