OKIエンジニアリングは,内装材の揮発成分が車載カメラなどにもたらす影響を調べる「フォギング試験・付着成分分析サービス」を9月1日より開始する(ニュースリリース)。
自動車の電動化が進む中,航続距離を伸ばすために,内装材においても軽量化に向けた材料の変更や新素材の採用が進む一方,高温の車内環境では外気との温度差によって,内装材に使用される樹脂や添加物,接着剤から発生した揮発成分がレンズやフロントガラスに付着して曇りが生じるフォギングという現象が起こる場合がある。
先進運転支援システム(ADAS)や自動運転技術の普及に伴って車載カメラやドライブレコーダー,ヘッドアップディスプレーの採用が増加する中,揮発成分による曇りがこうした機器のレンズなどに影響を及ぼさないか,新たに採用する内装材を対象に試験・評価する需要が高まってきているという。
同社はこのようなニーズに応えるため,国際規格や自動車メーカー独自の試験規格に対応したフォギング試験を実施。フォギング試験では,試料を入れたガラス瓶の上部をガラス板でふさいで加熱し,試料からの揮発成分で曇ったガラス板の透過率や反射率を測定するという。
さらに,フォギング試験でガラス板に付着した成分について,エポキシ樹脂系や脂肪酸エステル系など,成分の系統が分析できるフーリエ変換赤外分光光度計や,具体的な成分名まで詳細に分析できるガスクロマトグラフ質量分析装置を活用して分析し,曇りの原因の揮発成分名を特定する付着成分分析にもワンストップで対応。内装材を開発するユーザーの材料選定の効率化に寄与するとしている。
同社は,国内外の自動車メーカーに車載機器を納入するサプライヤーや内装材メーカー,フィルムメーカー向けに,年間5千万円の売上を目指すとしている。