GSアライアンスは,同社で合成・研究開発している量子ドットや電極材料を応用し,次世代型太陽電池である乾式の量子ドット太陽電池を簡易的な印刷手法で開発した(ニュースリリース)。
太陽電池は大きく分類すると,現在最も市場に広く普及しているシリコン型を含め,化合物系,研究開発段階の有機系,ペロブスカイト型などいくつか種類があるが,量子ドット太陽電池は理論的変換効率がシリコン型の2倍以上の75%にも達するという次世代型太陽電池。
量子ドットは通常,1~10nmの直径で,数十個から数千個ほどの原子や分子で構成される。ナノ結晶のサイズによってバンドギャップの調節が可能で,粒径に依存した特徴的な発光特性を保有する。サイズを変化させることで発光波長の調整が可能で,太陽電池,ディスプレー,LED,センサーやバイオイメージングなどさまざまな用途での応用が期待されている。
同社においては,これまで各種の量子ドットや量子ドット複合材料,量子ドットインクなどを研究開発してきており,今回の量子ドット太陽電池も,電極などの材料を含め,ほぼ自社で合成した材料を用いて簡易的な印刷手法で開発したという。
変換効率は約1%強と低いものの,今後は各種の量子ドット,電極,電解質材料の種類,印刷手法などを最適化して変換効率の向上を検討していくとしている。