U-MAPと岡本硝子は,U-MAPが開発した独自素材「Thermalnite」(繊維状窒化アルミニウム単結晶)を添加した窒化アルミニウム複合材料について,岡本硝子の持つセラミクス・シートの生産技術を用いた量産体制の構築に向けて連携を開始したと発表した(ニュースリリース)。
岡本硝子は,ガラスフリット製品を拡充する中で半導体業界・電子部品業界に向けにセラミクス・シートの受託加工事業等を行なってきた。受託加工事業では、1~1,000個程度の小ロットでの受託を特長として,トータルでサポートを行なっている。
U-MAPは,名古屋大学 宇治原研究室(未来材料・システム研究所)の研究成果である繊維状窒化アルミニウム単結晶「Thermalnite」の社会実装による熱問題の解決を目指すベンチャー。電子機器のパフォーマンスや機器寿命の低下を招く熱問題の解決に向け,電子機器の放熱性を向上する新機能性材料を開発している。
中でも,高強度AlN複合セラミクス材料は,高い熱伝導率に加えて,高い機械特性の両立を実現し,EVや鉄道などに用いるパワーモジュール分野や光通信分野への展開を見据えて,開発を進めているという。
すでに,U-MAPでは「Thermalnite」及び「Thermalnite」をセラミクスや樹脂・ゴムに添加したマスターバッチのサンプル販売を開始し,延べ70社以上の企業に販売している。
今回,「Thermalnite」を用いたセラミクス・シートの量産化検討のため,両社の連携を開始した。なお,この連携は,経済産業省関東経済産業局の「中堅・中小企業とスタートアップの連携による価値創造チャレンジ事業」への参画を契機とし,東京東信用金庫の協力によりスタートしたものだとしている。