量研機構,LIBSによるコロナ検出でクラファン実施

著者: sugi

量子科学技術研究開発機構は,学術系クラウドファンディングサービス「academist」の寄付型クラウドファンディングプロジェクトを利用し,研究課題「レーザーで空気中のウイルスを検出できるか?」について7日からサポーターの募集を開始した(ニュースリリース)。同機構がクラウドファンディングを行なうのは今回が初めて(プロジェクトURL)。

研究では「レーザー誘起破壊分光法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy: LIBS)」で空気中のウイルス検出が可能か,数値シミュレーションによる理論検証を行なう。

ウイルス感染症の拡大防止には,迅速なウイルス検出が重要。空気中のウイルスを直接検出するには空気フィルターで採取したサンプルをPCR分析する方法などがあるが,検出に時問がかかる。また,リアルタイムに空気中のウイルスを検出するバイオセンサーの場合,広い空間では多くのセンサーが必要という課題がある。

LIBSはさまざまな物質の元素組成を迅速に分析できる。LIBSに用いられる超高出カテラワットレーザーは約100mの空間でプラズマを発生させることができるため,広い空間での検出も可能。

LIBSでは,高出カレーザーを物質に当てて原子レベルにばらばらにする。ばらばらになった原子がイオン化する過程で生成されたプラズマは,イオン化した原子に特徴的な光を発する。その光を分光器で波長成分ごとに分離して得られるスペクトルから,物質の元素組成を決定する。

LIBSによって得られたスペクトルのパターンから,液体に含まれるウイルスは識別できることが明らかになっている。今回のプロジェクトの目的は,LIBSで空気中のウイルスも検出が可能か,ディープラーニングを活用した数値シミュレーションによって理論的に検証すること。理論検証では,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を分析例として取り上げる。

クラウドファンディングの実施期間は5月27日まで。目標金額は50万円を設定している。プロジェクトを支援すると,研究者より寄付金額に応じた活動報告レポート等の返礼(リターン)が送られる。また,同機構が寄付金受領にかかる領収書を発行するため,日本国内では税制優遇措置を受けられるとしている。

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