NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は,屈折率1.8,1.9の高屈折率ナノインプリント樹脂を開発した(ニュースリリース)。2021年6月からの提供開始を予定している。
近年の視野角拡大を目的としたAR/VR向けガラスの高屈折率化に伴い,高屈折率ガラスと屈折率が整合する樹脂の需要も高まっている。同社は,光学接着剤製造における高精度な屈折率制御技術を用いて,高屈折率の無機ナノフィラーの濃度を高めて高屈折率化を実現しつつ,樹脂の配合を最適化して良好な透明性とナノインプリント性を実現した。
この製品は,高い透明性と良好なナノインプリント性を有しており,スピンコートにより均一な薄膜を形成することができるという。現在販売している屈折率1.7の樹脂では屈折率整合しなかった高屈折率ガラスに対して屈折率整合するので,光学設計の自由度が向上することに貢献すると期待される。
高屈折率ガラス基板に適合し,ナノインプリントにより線幅50nm~10μmのナノパターンを形成することが可能。波長400nmから800nmの範囲で高い光透過性を有し,ナノインプリント用樹脂のほか,コーティング剤としての利用も想定しているという。