凸版印刷は,CMOSイメージセンサーの開発・販売を行なう静岡大学発のベンチャー企業,ブルックマンテクノロジの発行済み株式の89.1%を取得し,2021年3月中に子会社化の手続きを完了すると発表した(ニュースリリース)。
近年,スマートフォンやゲーム機の高機能化や,産業用の自律自走ロボットなどの普及に伴い,周辺情報を三次元的に収集できる3Dセンサーの市場拡大が期待されている。特にToF(Time of Flight)方式の3D距離画像センサーは,近年の技術開発の進展に伴い,小型かつ低消費電力という特徴から多くの機器デバイスで採用が進んでいる。
凸版印刷は,ブルックマンテクノロジの持つ独自のToFセンサー設計技術である,高速撮像性/長距離測定性/外乱耐性を活用し,「外で使いにくい」「残像が発生する」などの,3Dセンサー普及の課題を克服した実用性の高いToFセンサーを開発し,3Dイメージセンシング市場へ本格参入を目指す。
具体的には,ブルックマンテクノロジの持つ各種イメージセンサー開発実績およびToFセンサー設計技術と,凸版印刷の半導体回路設計技術を組み合わせ,高性能で実用性の高いToFセンサーの開発を行なう。
また,ブルックマンテクノロジと共同で推進している自律自走ロボット,ゲーム/AR分野で活用される3Dイメージセンシング領域の研究を加速させ,早期の事業化を実現す。さらに,凸版印刷の推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)において,現実世界のデータ化を担う3Dイメージセンシング技術を駆使することで,センサー単体だけでなく,センサーを用いた既存事業のDXや新たな新規事業の創出を目指すとしている。