NECは,大腸内視鏡用のAI診断支援医療機器ソフトウェア「WISE VISION 内視鏡画像解析AI」の販売を開始した(ニュースリリース)。
このソフトウェアは,既存の内視鏡機器に接続することで,内視鏡検査時に撮影される画像から内視鏡検査中にAIで病変が疑われる部位を自動検知し,病変の検出を支援する。
大腸がんは前がん病変(大腸腫瘍性ポリープ)から発生することが明らかになっており,ポリープの段階で内視鏡検査時に見つけ出し摘除することで,大腸がんへの進行を抑制することができる。しかし,ポリープは内視鏡医の肉眼で見つける必要があり,サイズが小さい,形状が認識しにくいなどの場合は発見が難しく,約24%が見逃されており,発見が遅れる原因となっていた。
この課題解決に貢献するため,同社は2016年から国立がん研究センターと連携し,1万病変以上の内視鏡画像を専門医の所見と併せてAIに学習させ,病変が疑われる部位を自動検知するソフトウェアを開発。開発にあたっては同社のAI技術群「NEC the WISE」及び米国国立標準技術研究所(NIST)において高い評価を獲得している顔認証技術を応用しているという。
このソフトウェアは,主要内視鏡メーカー3社(オリンパスメディカルシステムズ,富士フイルム,HOYA)の内視鏡に接続が可能。既存の内視鏡とこのソフトウェアを搭載した端末およびモニターを接続するだけで,すぐに利用を開始できる。様々な内視鏡に対応し,準備が容易であるため,院内での移動もでき,検査のある先で効率的に使用することができるとする。
また,病変候補位置を通知音とマーキングで伝え,通知音や音量,マーカーの色は利用者の好みに合わせていつでもカスタマイズ可能。視認性の高いユーザーインターフェースで直観的に操作することができ,ストレスなく検査を進めることができるとしている。