ウシオ電機を中心とするウシオグループは,高精度かつ多岐に渡るリソグラフィの需要増に対応するため,全自動ダイレクトイメージング(DI)露光装置の生産能力拡張および,マスク検査用EUV光源部品の生産体制構築を決定したと発表した(ニュースリリース)。
近年,第5世代移動通信システム(5G)実用化によるIoTの進展やスマートデバイスの進化,オンラインサービスやデータトラフィックの増加など,ICT(情報通信技術)インフラの需要が急伸しており,それに伴う半導体やプリント基板,パッケージ基板などの需要拡大及び技術革新が期待されている。
そこでウシオ電機は,グループの一社であるアドテックエンジニアリングの長岡事業所にて,設備投資額約20億円で下記の通り生産スペースを拡大する。なお,この投資はウシオグループの中期経営計画(2020年7月31日発表)にある成長投資の一環として行なわれる。
①プリント基板や,パッケージ基板等の半導体後工程を含めた多岐にわたる回路形成技術の進化に対応した露光装置の世界的な需要増加,および露光装置の大型化への対応のための全自動DI露光装置の生産能力増強(従来比約1.4倍)。
②次世代半導体の量産プロセスに欠かせない,EUVリソグラフィ実用化の肝となるマスク検査用EUV光源の主要基幹部品の安定供給や継続的な性能・品質の改善。
なお,アドテックは,超精密加工技術およびファクトリー・オートメーション(FA)装置開発技術をコアとして,近年は,プリント基板の製造工程で使用される「露光装置」に注力し,全自動コンタクト露光装置から最先端のデジタル露光装置までを製造している。2014年の株式交換によりウシオの100%子会社となっている。