日立オートモティブシステムズ(日立AMS)は,同社のステレオカメラが10月に販売されたスズキの小型乗用車「クロスビー」に採用されたと発表した(ニュースリリース)。
近年,自動車の安全設計における衝突被害軽減ブレーキの導入が加速している。国内では,国土交通省が乗用車の衝突被害軽減ブレーキ装着義務化を世界に先駆けて発表し,2021年には国産の新型乗用車を対象に装着が義務化される予定となっている。
このような衝突被害軽減ブレーキの装着に伴い,歩行者の検知・保護システムなどの先進安全機能の拡充とともに,自動車の安全性向上を背景とした消費者の新車に対する購入意欲も今後,高まることが予想される。
今回,スズキは「クロスビー」の安全装備の充実にあたり,初めて車線中央付近の走行維持をサポートする「車線維持支援機能」を採用したほか,全車速追従機能付の「アダプティブクルーズコントロール」や,夜間の歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキの「デュアルカメラブレーキサポート」を採用するなど,先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance System:ADAS)の機能を拡充した。
このカメラには,独自の機械学習技術を活用した,高精度な検知機能を実現するための画像による教師データが入力されており,夜間における歩行者の検知能力も高められているとする。
なお「クロスビー」は,経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「サポカーSワイド」や国土交通省による「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)認定車」に該当しているという。