東京エレクトロン デバイス(TED)は,表面殺菌装置向け「深紫外線LEDバータイプモジュールキット」を開発し,2020年12月15日より販売を開始する(ニュースリリース)。
従来の深紫外線ランプによる表面殺菌装置は,対象物に深紫外線ランプから発する熱が伝導するため,生鮮食品やフィルム・包装材など熱の影響を受けやすいものに導入できないことが課題だった。
同社は今回,深紫外線LEDを260個搭載したバータイプの照射モジュールと,電源機能と照射制御機能(照射点灯状態のGUI機能),冷却用ラジエータを持つ駆動コントローラで構成される,表面殺菌装置向け「深紫外線LEDバータイプモジュールキット」を開発した。
深紫外線LEDは発光する方向とは逆方向に熱が発生するため,生鮮食品や変形するフィルム・包装材などの対象物に熱の影響を与えることなく表面殺菌をすることができる。
照射モジュールは,360mm×49mmの発光面に260個の深紫外線LED(波長は265nm,280nm,285nm,310nmを選択)を搭載することで60mW/平方センチメートルの照射強度を持ち,高出力・省スペースを実現。駆動コントローラには電源機能と照射制御機能に加えて冷却用ラジエータを組み込むことで水冷システムも統合しているという。
この製品によりユーザーは深紫外線LEDを用いた基板設計や電源開発,冷却システムの知見がなくても,深紫外線による表面殺菌装置を容易に構築・導入することができるとしている。