3D-MICROMAC,レーザーアニールシステムを発表

独3D-Micromac AGは,業界初となる磁気センサー製造向け選択的レーザーアニールシステムの新製品「microVEGA xMR」を発表した(ニュースリリース)。

磁気センサーデバイス市場は,スマートフォンやウェラブル機器に搭載する回転センサーや電子コンパス,ブラシレスDCモータのリニアポジションセンサーや角度センサー,自動車用パワーステアリング角度検出や電子スロットル制御等における磁気センサーの需要の増大により成長を遂げている。

サーマルアニール技術は,従来GMR及びTMRセンサーの磁気抵抗効果を,最大限に引き出すために使用されてきたが,マルチチップパッケージ内にマウントされるか,もしくはモノリシックセンサーパッケージとして処理される異なる磁力方向を持つセンサーを生産するには,複数のプロセスステップが必要となる。

一方,新しい技術では,これらのプロセスステップを削減し,生産フロー全体を簡素化し,より小さなフットプリントへの拡張性を提供し,モノリシックセンサーパッケージの費用対効果の高い生産を可能にすることが求められているという。

この製品は,1枚のウエハーからより多くのデバイスが生産でき,より小さな磁気デバイス構造の処理を可能にする高精度な処理のほか,1枚のウエハー全体にわたってセンサー上に任意の磁力方向を設定できる能力があるという。

また,このシステムのオン・ザ・フライスポットと可変レーザーエネルギーは,所望の磁力方向をインプリントするために,各センサー内のピニング層を選択的に加熱することが可能。磁界強度と方向はレシピによって調整ができ,選択加熱による高温度勾配が非加熱エリアへの熱インパクトを低く抑えている。

これによって,センサーを直接読み出し回路の隣に置くことができるため,より小さなセンサーの生産が可能になり,ウエハー1枚当たりでより多くのセンサーを処理するためのスペースを確保でき,その結果,プロセスステップを減らし,生産フローを簡素化,歩留りの向上,より費用対効果の高いモノリシックセンサーパッケージの生産が可能になるとしている。

この製品の主な特長は以下のとおり。
・毎時最高500,000個のセンサーを生産可能な高スループット
・センサー品質を改善するレーザー照射面の優れたエネルギー均一性
・最大300mmまでのウエハーサイズに対応
・フレキシブルなレシピベースのプログラミングで,パルスエネルギー,センサー寸法,センサー間距離,磁力方向,磁束を含む全てのパラメータを制御
・装置精度:±5μm
・磁場方向(配向)精度:±0.010°
・消耗品や製品固有の部品が不要

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