日立ハイテクは,フォトニック集積回路(Photonic Integrated Circuit:PIC)のデザインを行なうスペインVLC Photonics(VLC)を子会社化し,PICのエンジニアリングサービスの提供を開始する(ニュースリリース)。
PICは光通信用の伝送機器等に用いられる,シリコンなどの基板上に光学素子を集積化したデバイス。SNS・動画配信サービスの普及や在宅勤務の拡大に伴い,インターネットの通信量は増加し,光通信の高速・大容量伝送に必要な通信機器の需要が高まっている。
PICは通信機器に搭載されるモジュールの製造において,従来の微細光学部品を組み立てる方法に比べ,小型化・低消費電力化を可能にするため,PICを用いた製品の実用化が急速に進んでいる。
VLCはPICのデザインを担い,シリコンに限らず,インジウムリンなど様々な化合物材料を基板に用いる知見や,各材料に対応した生産を担うファウンドリとの豊富なネットワークを有しており,光通信業界に限らず,今後さらなる成長が見込まれる自動運転,センシング,信号処理,バイオメディカル,量子技術など様々な業界の顧客に対して最適な提案ができるという。
日立ハイテクはこれまで光通信用の部材・モジュールをワンストップで販売し,グローバルな営業ネットワークや調達力を培ってきた。今後は,PICをラインアップに加えることにより,さらに充実したワンストップサービスの提供だけでなく,両社の強みを活かしたエンジニアリングサービスを提供するとしている。