九大ら,アルミなど簡便な色素で円偏光発光に成功

著者: sugi

九州大学,大分大学,北里大学,兵庫県立大学は共同研究により,安価で豊富なアルミニウムを含む三重らせん型色素を世界で初めて開発し,紫外光照射下で多様な発光色を示す円偏光発光材料の創製に成功した(ニュースリリース)。

円偏光発光とは,左回転もしくは右回転の偏りを持つ光のことであり,セキュリティ分野などの次世代光情報技術への応用が期待されている。従来の円偏光発光材料は,多くの段階で煩雑な有機合成を必要とすること,高価なキラル分子や希少金属(レアメタル・レアアース)を必要とすることが問題だった。

今回の三重らせん型色素は,三つ編み構造で形成された色素。単純なピロール誘導体(五員環構造を持つ複素環芳香族化合物),ヒドラジン(分子式N2H4で表される無機化合物),塩化アルミニウム等の市販試薬からわずか2回の工程で合成可能であり,優れた熱耐久性と高い蛍光量子収率を示すという。

らせん構造を持つDNAや蛋白質を高選択的に染色する可能性も秘めており,新たなバイオイメージング技術への応用が期待されるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 東北大ら、円偏光を用いた共鳴非弾性X線散乱による磁区識別法を開発

    東北大学、早稲田大学、大阪公立大学は、円偏光を用いた共鳴非弾性X線散乱(RIXS)による新たな磁区識別法を開発した(ニュースリリース)。 交替磁性体は全体としての磁化がゼロでありながら、スピンの分極した電子バンドを持つた…

    2025.11.26
  • 近畿大ら,高圧環境下での円偏光発光の計測に成功

    近畿大学と日本分光は,静水圧(100MPa)という高圧環境下での円偏光発光の計測に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。 特定の方向に振動する光を偏光といい,中でも円偏光はらせん状に回転する特殊な光で,次世代のセンシ…

    2025.09.16
  • 阪大ら,新たなキラル対称性の破れ現象を発見

    大阪大学と大阪公立大学は,キラルなフェノチアジン誘導体のアキラル結晶が,分子のキラリティを反転しつつ単結晶性を維持したままキラル結晶へ構造転移する現象を発見した(ニュースリリース)。 キラル化合物は通常,鏡像の関係にある…

    2025.08.21
  • 慈恵医大ら,120種のタンパク質を可視化し統合解析

    東京慈恵会医科大学らの研究グループは,1枚の組織切片上から120種類以上のタンパク質を高解像度に可視化し,空間的に統合解析できる世界初の技術「PathoPlex」を開発した(ニュースリリース)。 マルチプレックスイメージ…

    2025.07.29
  • 近大ら,液晶材料で円偏光の発生と回転方向高速切替

    近畿大学と立命館大学は,アキラル(光学不活性)な発光体を,性質の異なる2種類の液晶材料に添加することにより,らせん状に回転しながら振動する円偏光を発生させ,加える電場の方向を連続的に切り替えることで,円偏光の回転方向を高…

    2025.07.18
  • 岡山大ら,線虫の脂質分布を可視化する新手法を開発

    岡山大学,甲南大学は,線虫(Caenorhabditis elegans)の体内構造を保持したまま連続切片を取得し,脂質分布を三次元的に可視化する質量分析イメージング手法を開発した(ニュースリリース)。 線虫は,発生生物…

    2025.07.15
  • 名大ら,生体内で強く発光する低毒性量子ドット開発

    名古屋大学と量子科学技術研究開発機構(QST)は,近赤外光波長領域で強く発光する新規な多元素量子ドットの開発に世界で初めて成功し,生体深部イメージング用発光プローブとして利用できることを実証した(ニュースリリース)。 量…

    2025.07.07
  • 北大,光の回転が物質を動かす仕組みを解明

    北海道大学の研究グループは,光が物質に与える,回転の力(光トルク)の源である角運動量を,スピンと軌道の二つに分け,それぞれの損失量を個別に測定・解析できる新たな理論を提案した(ニュースリリース)。 光には,まっすぐ進むだ…

    2025.06.10

新着ニュース

人気記事

新着記事

  • オプトキャリア