リコーは,屋内の温度・湿度・照度・気圧といった環境情報を電池レス・配線レスで取得可能とする固体型色素増感太陽電池を搭載した「RICOH EH 環境センサーD101」と,センシングしたデータを管理するシステムを10月8日に発売した(ニュースリリース)。
すべてのモノがインターネットにつながるIoT社会では,モノに取り付けられた各種センサーの情報をインターネット経由で収集しモノの状態や位置などを把握することにより,快適な生活を可能にする。
今後,さまざまなモノにセンサーを搭載することが予想されるなかで,それらのセンサーを稼働させる自立型電源として,身のまわりにある光や熱,振動などから発電するエネルギーハーベスト(環境発電)が注目されている。
同社の固体型色素増感太陽電池は,同社が複合機の開発で培った有機感光体の技術を応用して開発したもので,従来の液体型色素増感太陽電池における電解液を有機半導体材料等で構成しており,電解液を用いる電池が抱える液漏れや腐食といった安全性や耐久性に対する課題を解決した。
また,室内光源波長に適した有機材料の設計および,デバイス構造の最適化を実現することにより,倉庫などの明るさの十分でない場所でも高効率の発電を可能にする。
新製品は,電気工事や配線が不要なため,工場,倉庫,オフィスや商業施設など必要な場所に容易に設置することができる。これにより,温度・湿度から得られる情報を基に作業責任者に注意を促すなど,直接現場にいない場合でも作業現場の環境状況を把握することができる。
また,センシングしたデータはPC上に蓄積できるため,食品スーパーや商業施設の温湿度管理や工場・倉庫の作業現場の環境センシングなど,電池交換なしで24時間365日測定することが可能となるとしている。