東北大ら,レーザー+超音波の非破壊検査法を開発

東北大学と米ロスアラモス国立研究所は,圧電探触子送信と超多素子受信レーザー走査2次元マトリクスアレイを融合した映像法を開発し,従来限界を1桁以上上回る数千素子の超多素子2次元マトリクスアレイの実現により,固体材料内部の欠陥を3次元的に高分解能で映像化することに成功した(ニュースリリース)。

材料内部に発生する欠陥は複雑な3次元形状をしていることが多いにもかかわらず,最新の超音波フェーズドアレイ装置でも,1次元圧電アレイ探触子による2次元映像化しか対応していていない。一部,2次元圧電マトリクスアレイ探触子を用いた3次元映像化への試みも始まっているが,装置コストの問題からその素子数は最多でも256程度であり,低分解能な3次元映像化にとどまっていた。

研究では,この問題を解決する方法として,圧電探触子送信とレーザードップラー振動計の2次元スキャンを組み合わせた3次元超音波映像法PLUS(Piezoelectric and Laser Ultrasonic System)を開発した。PLUSでは,受信レーザーのスキャン点数を任意に増やすことができるため,圧電アレイ探触子の限界(256素子程度)を1桁以上上回る数千素子の2次元マトリクスアレイが実現できる。

また,レーザードップラー振動計は幅広い周波数の超音波を受信できるため,圧電送信探触子を変えるだけで,減衰特性の異なる様々な材料にも適用できる。

一方,レーザードップラー振動計は受信感度が低いという欠点もあるが,単一素子の圧電探触子送信により強力な超音波を入射することができるため,この問題も解決できるという。これにより,発電プラントの配管などで問題となっている複雑に枝分かれした応力腐食割れ(き裂の一種)の3次元映像化に成功した。

今回開発したPLUSにより,欠陥の3次元情報を材料の強度評価に取り入れることができるようになり,経済的かつ安全な構造物の運用が可能となるという。また,得られた3次元欠陥情報は,欠陥発生・成長機構の解明にもつながり,学術分野の発展にも貢献する。さらに,送信探触子を低周波のものに変えるだけで,橋梁,高速道路,トンネルなどのコンクリートインフラの検査など,多くの分野への応用が期待できるとしている。

キーワード:

関連記事

  • トルンプファイバーレーザー

    トルンプ、50kWファイバーレーザー搭載の2D切断機を発表

    独TRUMPFは、2Dレーザー切断機「TruLaser 8000 Power Edition」を発表した(ニュースリリース)。 50kWのファイバーレーザーを搭載し、同社がこれまで工作機械向けに提供してきた最も高出力なレ…

    2026.10.22
  • 光ファイバセンシングを活用した漏水位置特定システム

    NTT、光ファイバセンシングとAIで水道管の漏水位置を15分で特定

    NTTは、福岡市管工事協同組合と共同で、光ファイバセンシングとAIを組み合わせた水道管の漏水位置特定技術の実証に成功した。地下に埋設された給水管から生じる微弱な振動を光ファイバで検出し、AIで解析することで、水平誤差75…

    2026.10.21
  • NTTなど、IOWNでトンネル遠隔施工管理を実証 1,000km先からひび割れ検査

    安藤ハザマ、NTT、1Finityの3社は、IOWNのオールフォトニクス・ネットワーク(APN)を活用し、山岳トンネルの建設現場における遠隔施工管理の実証実験を行なった(ニュースリリース)。1,000kmの長距離通信を模…

    2026.10.19
  • NVIDIAとコーニングが提携、AIデータセンター向け光接続製品を米国で大幅増産

    米NVIDIAと米コーニング(Corning)は2026年5月6日、米国において次世代AIインフラの構築に不可欠な先進的な光接続製品の生産を大幅に拡大するため、複数年にわたる商業・技術提携を発表した(ニュースリリース)。…

    2026.05.08
  • 反射型光ファイバー分布計測で6 mm分解能、芝浦工大と横浜国大が実証

    芝浦工業大学と横浜国立大学の研究チームは、光ファイバーに沿った温度やひずみの分布を測定する反射型のブリルアン光相関領域反射計(BOCDR)において、6 mmの空間分解能を実証した(ニュースリリース)。反射型ブリルアン計測…

    2026.04.17

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア