ウシオ電機と東芝ライテックは,有人環境下で使用できるウシオの222nm紫外線殺菌技術を用いた「Care222光源モジュール」を搭載した紫外線除菌・ウイルス抑制装置を共同開発すること,ならびに同モジュールを用いて自動車および鉄道車両に搭載する装置や一般照明器具の開発に関して業務提携することに合意したと発表した(ニューリリース)。
ウシオは,2015年から国 コロンビア大学とともに人の皮膚や目に安全な222nm紫外線技術の開発に着手。有人環境下で使用できるウイルス不活化・殺菌技術「Care222」を確立した。
Care222は,人や動物の皮膚や目に安全でありながら,紫外線本来のウイルス不活化・殺菌能力を保持した新しい紫外線光源。従来,紫外線によるウイルス不活化や殺菌には,波長254nmの紫外線が用いられてきたが,皮膚傷害などが発生するリスクが高く,人体への直接照射は避けられてきた。
それに対し,Care222は,自社のエキシマランプに特殊な光学フィルタを組み合わせることで人体に安全な200~230nm紫外線のみを照射。これにより,有人環境下においてウイルスや細菌の付着が疑われる空間や環境表面(建材や器具,衣服などに)に直接照射してのウイルス不活化・殺菌を可能にした。
一方,東芝ライテックは,オフィス・店舗・工場などの照明器具や,舞台・スタジオや空港などの専門性の高い照明システムに加え,車載光源,紫外線光源およびそれらを組み込んだ光学装置,赤外線ヒーターといった産業光源など,幅広い事業展開を行なっている。
共に「光」を軸に事業を展開している両社は,未だ収束の兆しが見えない新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向け,それぞれの光技術を融合させることで安心・安全な空間・環境を光で実現すべく今回の業務提携に至ったという。
これにより両社は,自動車/鉄道車両向け紫外線除菌・ウイルス抑制装置を共同開発するとともに,ウシオは自社のCare222光源モジュールを東芝ライテックに供給開始し,東芝ライテックはそれを自社の照明器具に組み込み<ウイルス抑制・除菌+照明という新しいコンセプトの商品やサービスを開発していく。なお,開発した商品は,2021年1月からの販売を目指すとしている。